第4回理想と現実のはざまで揺れ動いてきたハリス 自らの「実像」示せるか
サンフランシスコ=五十嵐大介 ワシントン=清宮涼
連載 カマラ・ハリスの実像4
高尚な理念を掲げて実現できない理想主義者ではなく、結果を出す「現実主義者」である――。それが、検事となったカマラ・ハリス副大統領が打ち出そうとしてきた自己像だった。
ハリスが検事時代に掲げたのが「スマート・オン・クライム(犯罪に賢く対処する)」というスローガンだ。重犯罪には厳しく対処する一方、若い軽犯罪者には社会復帰を促す新たな刑事政策「バック・オン・トラック」を始めた。
18~30歳の若者で、薬物関連の初犯の犯罪者を対象とした。薬物中毒の治療や職業訓練など、1年ほどの研修を受けた後に仕事に就くことを条件に、犯罪歴を記録から消す、というものだった。
背景には、先進国で最多の刑…
アメリカ大統領選挙2024
2024年11月のアメリカ大統領選挙でドナルド・トランプ氏が再選を果たしました。最新ニュースをお届けします。[もっと見る]