衆院選公示 岡山県は4選挙区に14人 論戦スタート

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 衆院選が15日公示された。前回から1減の4選挙区となった岡山県内の小選挙区には、前職5人、元職1人、新顔8人の計14人が立候補を届け出た。解散から投開票まで18日間という短期決戦。候補者たちは、「政治とカネ」の問題や、経済対策、福祉や暮らしの安全などを訴えた。期日前投票は16日から。投開票は知事選と同じ27日に行われる。

●1区 県内最多 5氏立つ

 当選12回の自民前職に、立憲、維新、共産、国民の新顔が挑む。選挙区は岡山市北区備前市赤磐市など。

 共産新顔の住寄聡美氏はJR岡山駅前で出発式をした後、岡山市内を選挙カーで回った。午後には北区のスーパー前で街頭演説。「自民党の裏金問題をうやむやにさせてしまってはいけない。厳しい審判を下しましょう」と呼びかけた。

 維新新顔の服部千秋氏はJR岡山駅前で出発式を開いた。維新が政治とカネの問題に以前から取り組んできたことや、若い世代への投資を強調。「自然と調和した住みやすく、働きやすい岡山をつくる」と訴え、支持を呼びかけた。

 立憲新顔の原田謙介氏はJR岡山駅前で第一声。裏金や旧統一教会の問題が政治不信を招いていると指摘した上で、「今こそ政治に思いや希望を託してほしい。人の暮らし、生活の安心が最優先の政治に変えていきたい」と訴えた。

 赤磐市議を務めた経験がある国民新顔の佐々木雄司氏は同市役所前を第一声の場所に選んだ。「消費税ガソリン税の減税など、手取りが増える政策に取り組む。市議として皆さんと得た多くの学びを国政にいかしたい」と訴えかけた。

 自民前職の逢沢一郎氏は岡山市北区の事務所で出陣式。「自民党は大きく反省をしなければならない。しかし、この国の未来を託すことができるのはやっぱり自公体制だと、有権者の納得と共感を得る選挙戦にしたい」と決意を述べた。

●2区 自民・立憲・共産 3氏争う

 自民前職、立憲元職、共産新顔が立候補した。選挙区は岡山市中区、東区、南区、玉野市瀬戸内市

 自民前職の山下貴司氏は、岡山市中区の神社前で出陣式。裏金問題について、元検察官という自身の経歴を紹介し「自民党の中で誰よりも憎んでいる」と強調した。「経済成長を岡山から始め、ふるさとをもっと高みに上げたい」と訴えた。

 共産新顔の余江雪央氏は、同市中区役所前で演説。「若い人が希望を持てる政治を」と訴え、最低賃金1500円の実現を主張。日本原水爆被害者団体協議会ノーベル平和賞受賞決定に触れ、「核兵器禁止条約の批准を求めていく」と訴えた。

 立憲元職の津村啓介氏は、同市南区などを選挙カーで回った。日銀出身の経歴から「金利金融政策を正常化し、物価の安定に努める」と主張。自民党の裏金や旧統一教会の問題を批判し、「日本社会の変革の遅れを今こそ取り戻す」と述べた。

●3区 自民前職に立憲・共産が挑む

 自民前職に、立憲、共産の新顔が挑む。選挙区は、津山市笠岡市など18市町村に及び、面積は4選挙区の中で最大。

 自民前職の加藤勝信氏は、JR笠岡駅近くの事務所前で第一声。加藤氏は「まず一番やらなきゃいけないことは、経済をしっかり立て直していくことに尽きる」と強調。さらに大きな柱として、中山間地域の振興や少子化対策を訴えた。

 共産新顔の原田亜希子氏は、真庭市のJR中国勝山駅前などで演説。「原発はただちにゼロ」「平和を守る」「暮らしを守る」の3点を強調した。消費税率を5%に引き下げることなどを掲げ、「声を上げれば、必ず政治は変わる」と訴えた。

 立憲新顔のはたともこ氏は、津山市内で第一声。「自民党の政治にピリオドを打つ。長期政権は腐敗する」と述べた。少子化対策に言及し、年金に加算するシニア手当なども提唱。「私と一緒に政権を取りにいきましょう」と訴えた。

●4区 7度目2氏に新顔

 7度目の対決となる自民と立憲の前職と、前回は擁立を見送った共産の新顔が立候補した。選挙区は倉敷市早島町

 共産新顔の垣内雄一氏は倉敷市新田の事務所で出陣式を開き、遊説へ。「地方の人口減は自民党政治の結果だ。アベノミクスでもうけた大企業の内部留保に課税して10兆円の財源をつくり、中小企業を支援して地方創生を進める」と強調した。

 自民前職の橋本岳氏はJR倉敷駅前で第一声。「裏金問題でご迷惑をおかけして本当に申し訳ない。一方で多くの課題が待ったなしで控える。アベノミクスの成果が賃上げにつながるよう、あらゆる制度や政策を総動員する」と訴えた。

 立憲前職の柚木道義氏は同市沖新町の事務所で出陣式。「安定雇用による賃上げ、仕事と家庭の両立した生活を実現するのが政治。裏金に汚染された国民に信頼されていない政治から、政権交代に向けたフェアな政治に改める」と声を上げた。

県内小選挙区の候補者

◇1区

住寄聡美 41 共新 党県常任委員

服部千秋 64 維新 〈元〉兵庫太子町長

原田謙介 38 立新 〈元〉NPO代表

佐々木雄司 54 国民新 〈元〉赤磐市議

逢沢一郎 70 自前(12) 〈元〉党国対委員長

◇2区

山下貴司 59 自前(4) 〈元〉法相

余江雪央 47 共新 党県委員

津村啓介 53 立元(6)〈元〉内閣府政務官

◇3区

加藤勝信 68 自前(7) 財務相

原田亜希子 51 共新 党地区常任委員

はたともこ 58 立新 〈元〉参院議員

◇4区

垣内雄一 60 共新 党県常任委員

橋本岳 50 自前(5) 〈元〉厚労副大臣

柚木道義 52 立前(6) 党県代表

※届け出順。年齢は投開票日現在。丸カッコ内数字は当選回数。経歴などは原則として候補者の回答に基づいて掲載しています

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