世界の半分の焼却炉、ごみ燃やし続ける日本 ゼロウェイストへ転換を

有料記事

編集委員・石井徹
[PR]

 持続可能とか、循環型とか、エコとか、環境問題の解決にはいろいろあるが、結局はごみを出さないことが、一番大事なのではないか。地球温暖化の主な原因である二酸化炭素(CO2)も、化石燃料のごみと言える。

 日本のごみ排出量は年間約4千万トン。1人当たりでは1日880グラムで、この10年で1割程度しか減っていない。特徴は、ごみの多くを焼却していることだ。日本には、世界の半分ほどにあたる1千基以上の焼却炉があると言われ、廃棄物分野からの温室効果ガス排出量が排出量全体の3.2%を占める。

 経済協力開発機構(OECD)の2年前のデータによれば、日本のごみの焼却率は8割で加盟38カ国で1位。一方、リサイクル率は2割で、平均以下だ。ドイツやオーストリアはおろか、米国にも負けている。韓国のリサイクル率は5割以上だ。

 ゼロカーボン(脱炭素)を標榜(ひょうぼう)するのなら、ゼロウェイスト(ごみゼロ)も目指すのは当然だ。だが、ゼロカーボンを宣言したのは、全国に1100自治体以上あるのに、ゼロウェイストは、熊本県水俣市など5自治体しかない。世界では、500以上の自治体がゼロウェイスト運動に参加しているとみられる。

 日本で最初にゼロウェイスト…

この記事は有料記事です。残り705文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
石井徹
編集委員
専門・関心分野
環境、エネルギー
  • commentatorHeader
    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2024年10月28日10時0分 投稿
    【視点】

    知らないことが多い記事だった。読むべき。

    …続きを読む