自転車の酒気帯び、ながら運転はダメ! 改正道交法、県警も周知強化

杉江隼
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 【千葉】改正道路交通法が1日に施行され、自転車での酒気帯び運転と、スマートフォンなどを使用しながらの「ながら運転」が厳罰化された。県警も、周知や取り締まり強化に乗り出す。

 「暗黙の了解みたいなところあったじゃん」

 施行前日の10月31日夜、JR津田沼駅(習志野市)周辺での飲酒検問で呼び止められた50代の男性が、そうこぼした。船橋東署が、県警交通指導課や県と協力して実施した検問と広報啓発活動でのことだ。

 JR船橋駅(船橋市)周辺で飲み、帰宅するところだったという男性からは、検査でアルコールの反応が出た。男性は「そこまでは(自転車を)押していたけど、工事か何かで急いだ方がいいと思って乗った」と釈明した。

 結局、男性から検出されたアルコールは規制値以下だった。男性がほっとした表情で「明日だったらどうなるの?反則金?」と聞くと、警察官は「状況にもよるけど、酒気帯びだったら最悪の場合、懲役もある」と答えた。

 この日は1時間の活動で、自転車に乗った150人ほどに声をかけ、飲酒のチェックをしたり、罰則強化について知らせるチラシを配ったりした。同署の幸地要交通課長は「自転車での飲酒運転がだめだと知らない人もいた。手軽な乗り物だからこそ、加害者にも被害者にもならないためにルールを守って乗ってほしい」と話した。

   ◇   ◇  

 これまで自転車の運転は、酩酊(めいてい)状態で正常な運転ができないおそれがある「酒酔い運転」のみに罰則規定があった。酒気帯び運転は禁止はされていたものの罰則がなかったが、改正法では、3年以下の懲役または50万円以下の罰金の罰則が設けられた。

 「ながら運転」は、元々県の公安委員会規則で禁止され、罰則もあったが、全国一律で「最大1年以下の懲役または30万円以下の罰金」に統一された。

 背景には、自転車による人身事故が後を絶たないことがあり、県内でも事情は同じだ。

 県警の交通総務課によると、県内で自転車が関わる事故は9月末時点で2149件で、交通事故全体の24%を占める。ここ数年の割合はほぼ横ばいだという。

 自転車の飲酒運転による事故は、ここ5年で30件でうち6件は死亡事故。また、携帯電話の使用による事故も19件あり、今年は9月末時点で5件発生している。

 県警の交通総務課の足沢知之課長代理は「自転車は免許もなく、子どもからお年寄りまで乗れる。これまで見過ごされてきた面もあるが、『車両』であれば飲酒もスマホもだめ。安全運転を呼びかけていきたい」と話した。

 今後は教育機関などへの安全講話や、自転車の通りが多い駅周辺などでも広報・啓発活動をしていくという。

自転車の違反行為に対する罰則

・酒酔い運転 5年以下の懲役または100万円以下の罰金(法改正前後で変化なし)

・酒気帯び運転 罰則なし→3年以下の懲役または50万円以下の罰金

・スマホなどを使いながら運転する「ながら運転」 5万円以下の罰金→6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金(事故などを起こせば1年以下の懲役または30万円以下の罰金)

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