谷川俊太郎さんの詩は「骨の声」が聞こえてきた 吉増剛造さんが追悼

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聞き手・定塚遼

 亡くなった谷川俊太郎さんとともに、戦後の日本の現代詩を牽引(けんいん)してきた一人に、吉増剛造さんがいる。谷川さんの詩と存在について、吉増さんに話を聞くと、「ひとりぼっち性」「子ども」「恒星」「意味と思想」「骨の声」といったキーワードが、次々とあふれ出てきた。谷川さんの本質にあるものは何なのか。自身との違いとは。吉増さんが語った。

     ◇

 谷川さんの詩には、いつも「ひとりぼっち性」とも呼ぶべきものが存在していました。それは「孤独」とも少し違う。原始的で、無邪気で、純粋な魂がそのまま表に出ているような。そんな幼心のようなものが、いつも詩の中心にあったと思います。

 谷川さんは私より8歳ほど上でした。反発や競争意識というよりは、遠いところにある広大な光として見つめていました。宇宙の中に、ぽつんと浮かんでいる恒星のような。そんな印象を持っていました。

 私はいつも、限界を超えたい…

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