「賄賂は高額」元市議に懲役4年判決 奈良県御所市、火葬場巡る事件
堀之内健史
奈良県御所市発注の火葬場新設事業を巡り現金7500万円の賄賂を受け取ったとして、加重収賄罪に問われた元市議・小松久展被告(72)の判決で、大阪地裁(大森直子裁判長)は10日、懲役4年(求刑懲役7年)を言い渡した。「賄賂は高額で、市議の職務の公正さや社会の信頼を失墜させ、厳しい非難に値する」と指摘した。
判決によると、小松被告は地元建設会社の元役員の頼みで他社との受注を調整し、2020年7月の市議会で工事請負契約に賛成して、見返りに21年6月と12月に元役員2人から現金を受け取った。
弁護側は「借りただけだ」などと無罪を主張していたが、判決は、小松被告が入札の方式変更に関する説明会を開くなどの便宜を図った上で現金を受け取っていると指摘。他に多額の現金を受け取る理由はなく、「賄賂の趣旨が含まれているであろうことを認識していた」と判断した。
市議会は22年に辞職勧告を決議し、小松被告は今年1月に辞職した。贈賄罪に問われた同社の元役員2人は有罪判決が確定している。