闇バイト・トクリュウをどう防ぐ 各世代の情報環境悪用、背景に貧困
「闇バイト」や「匿名・流動型犯罪グループ」、略して「トクリュウ」といった言葉を見聞きする機会が増えた。犯罪の担い手や手法が変化し、実態解明が難しいのが特徴だ。犯罪社会学者で京都大教授の岡邊健(おかべたけし)さんと対策を考えた。
強盗殺人などの凶悪事件との関連で、闇バイトやトクリュウが注目を集めている。少年非行とその背景にある社会構造の問題に詳しい岡邊さんは「連綿と続く流れに位置づけられる一方、新しい要素もある」と見る。
暴力団対策法(1992年施行)や組織犯罪処罰法(2000年施行)、グレーゾーン金利撤廃(2010年)などにより近年は暴力団やヤミ金融の規制強化が進んできた。
一方で、昨年の特殊詐欺の認知件数は約1万9千件と過去10年で最多、被害額は450億円に達し、今年も前年同期を上回っている。「10万円程度の被害なら警察への届け出をためらう可能性もある。実際はもっと多いのでは」。
岡邊さんによると、トクリュウの首謀者は従来の暴力団、ヤミ金融の系譜に位置づけられる可能性が高い。「ツールは主に『電話』と『名簿』の二つで、ヤミ金融と同じ。首謀者は手法を受け継いでおり、広義の暴力団関係者とみられる」
ただ、親分・子分や先輩・後…