「米国を守る」と言うトランプ氏は国を弱く危うくする NYTコラム

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ニコラス・クリストフ

 ドナルド・トランプ大統領は就任演説で、「国を守ること以上に重要な責務はない」と述べた。

 では、トランプ氏は就任初日に何をしたのか。米国をより弱く、より危うくしたのだ。

 米国でTikTok(ティックトック)に新たな息吹を吹き込もうとしたトランプ氏の動きは、その最たる例であり、これについては後ほど触れる。しかし、そうした動きはこれだけではない。

 私たち全員に迫りくる脅威の一つは、2014~16年のエボラ出血熱の流行や新型コロナウイルスパンデミックで見られたように、世界の遠い片隅で始まるウイルス性疾患だ。パンデミックから私たちを守るガードレールとなっているのが世界保健機関(WHO)であり、ウイルスが外国で拡散する前に早期に阻止する活動を行っている。しかし、トランプ氏は就任初日に米国が同機関から脱退すると発表し、次のウイルスが世界規模で広がり、多くの米国人の命を奪うリスクを高めている。

「恩赦をもらったぜ、ベビー」

 トランプ氏が民主党は法と秩…

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    藤田直哉
    (批評家・日本映画大学准教授)
    2025年2月2日0時0分 投稿
    【提案】

    日本においても、ショート動画の影響力は非常に大きく、そのプロパガンダ的な機能は深刻な問題だと思います。子供が見ているので、一緒に見ていると、子供向けの絵柄と口調で、戦争や政治に関わる様々なメッセージが飛び交っていて、「誰が何の目的で流してい

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