ブレーキなきトランプ氏2期目 中国が覚悟する「三つのキーワード」

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上海=斎藤徳彦
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 中国に対しては経済的圧力を高めると見込まれる一方、対話をしようにも姿勢が予測しにくいトランプ米大統領。中国側はどのような状況を予測し、備えているのか。復旦大学米国研究センターの呉心伯主任に聞いた。

 ――トランプ氏が米大統領に再就任を果たしました。米中関係にとってどんな4年間になるのでしょうか。

 中米関係にとって不確実さの増す4年間となるでしょう。トランプ氏は中国との付き合いでも態度がよく変わることになりそうです。極端なやり口を好むトランプ氏は、中国に対しても過剰な要求を突きつけてきそうです。

 関税引き上げなどを含む経済・貿易関係に加え、台湾問題も心配です。政権には安全保障分野のタカ派も含まれ、緊張を引き起こす可能性があります。個人的には楽観できません。

 ――バイデン前政権、あるいは1期目のトランプ政権と比べてどのような変化を見込みますか。

 バイデン政権も中国に対して強硬な姿勢を示してきました。ですが、「衝突をしない」というボトムラインは明確でした。バイデン政権は中国に損害を与えましたが、中国から米国への輸出は伸びました。トランプ氏はより予測しにくく、彼の動きは破壊力が非常に大きいと言えます。

 トランプ氏自身の1期目との違いは、当時は彼は再選へ向けた成果とするため、中国と交渉する必要があったことです。今回はもう再選する必要はないから、これがブレーキとはなりません。より結果を気にしないで行動する可能性があり、より危険だと感じています。

 ――中国製品への関税の60%引き上げを公言しています。非常に高率ですが、実際に引き上げるのでしょうか。

「トランプ関税」に報復はするべきか

 常識では考えられない引き上…

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この記事を書いた人
斎藤徳彦
中国総局長
専門・関心分野
国際経済、中国の経済・政治
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