大規模災害に備え「顔の見える関係」 元消防官の記者が感じたこと
大規模災害の発生に備えて、顔の見える関係を――。元消防官の記者が、そのことの大切さを感じる訓練があった。
取材したのは、滋賀県建設業協会湖南支部と湖南広域消防局の連携訓練。県建設業協会湖南支部は、草津、守山、栗東、野洲の4市の58社が会員。湖南広域消防局はその4市を管轄している。
両者は東日本大震災が起きた2011年、災害時に連携する協定を結んだ。これまでコロナ禍で中止になった年を除き、毎年顔を合わせて訓練を実施。つながりを深めてきた。
13回目となった今年の訓練は、昨年の元日に起きた能登半島地震の教訓を踏まえた内容になった。
能登半島地震では、湖南広域消防局から延べ75人が石川県珠洲市に派遣された。だが、がれきに大型車両の行く手を阻まれるなどして、悔しい思いをした。
一方、現場に近づける小型車両の有効性を確認した。それを受けて湖南広域消防局は昨年、小型車両に積める工具や救助用資器材を各消防署に配置した。
訓練は、守山市の北消防署出張所で1月21日にあった。県建設業協会湖南支部から約40人、消防局から約30人が参加した。
参加者は工具で木材を切断するなどして、いっしょに習熟を図った。湖南支部側はクレーンで重量物をつり上げる方法など、消防局側は救急救命士らが心肺蘇生法などを教えた。お互いの強みを共有し、レベルアップを図る狙いだ。
大災害「消防だけでは太刀打ちできない」
訓練では、互いに質問する場…