難治がんの患者にも選択肢、治療の最先端 「高度化」ゆえの課題も
生涯で2人に1人がなると言われる病気、がん。医学の進歩により、進行したがんや、治すのが難しかった種類のがんに対する治療法が増えている。一方で、その恩恵に誰もがあずかれるわけではない。患者や家族はいま、がんとどう向き合えばよいのか。
がんになる人は年間94万人、亡くなる人は38万人ほど。かつては「不治の病」と考えられたが、いまは治る人も増えている。
がんと診断された人が、5年後に生存している割合は、多くの部位でゆるやかに上昇傾向にある。日本人の同集団と比べた「5年相対生存率」で見ると、1993~96年に診断された人と、2009~11年に診断された人を比べると、53%から64%に上がっている。
背景には、治療の進歩がある。特に、近年の薬の進展はめざましい。
がんを手術で取り除くことができれば、根治の可能性がある。だが、血液の流れに乗ってがん細胞が全身に移動してしまうと、再発に至ることがある。また、進行したがんや、白血病などの血液がんは手術で除去できない。そのため、がんができている部位だけでなく、薬などで全身に働きかける治療法の開発が進められてきた。
従来の3本柱に加わった、分子標的薬や免疫療法
藤田医科大腫瘍(しゅよう)…
- 【解説】
「高額療養費の自己負担額引き上げ」について、記事でコメントを出している全国がん患者団体連合会(全がん連)では先月17日から19日の3日間のオンラインアンケートを実施したところ、3623人の声が集まった。それらの意見を追っていくと、治療を受け
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高額療養費制度見直し
政府は昨年末、医療費の患者負担に月ごとの限度を設けた「高額療養費制度」の見直し案を決めました。しかし、がん患者や野党が凍結を求める中、政府は改革案を修正する方針を決めました。関連ニュースをお伝えします。[もっと見る]