デヴィッド・ベッカムは多忙な男だ。つい2週間前には妻ヴィクトリアの50歳の誕生日を祝い、今最もホットなクロノグラフを披露したかと思えば、つい先日には『ジミー・キンメル・ライブ!』に出演した。そんな彼がスーツの着こなしに長けていることは周知の事実ではあったが、この日キャッチされたサマースーツ姿は特に決まっていた。
無精髭を整え、サングラスをかけたベッカムは、ネイビーのウール製ダブルブレストジャケットを着ていた。これに合わせたTシャツとパンツも、いずれもネイビーだ。これは気温が上がり始めたときに着るのに完璧なスーツスタイルと言えるだろう。ウールは少し蒸れそうに思えるが、ワイドカットのおかげで軽やかかつ清涼感もありながら、かっちりとしたシェイプも狙えるからだ。これは、リネンでは難しいことである。
ベッカムがこよなく愛するそのブランドとは
このスーツの仕掛け人は誰か? それは、熱烈な人気を集めるラグジュアリー・ブランド、ロロ・ピアーナにほかならない。ベッカムは長年、このイタリアの高級ブランドのファンだった。2022年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、彼は同ブランドのポロシャツを着ていた。23年には、Netflixで配信される自身のドキュメンタリー番組のプレミアでロロ・ピアーナのツーピースを着用していた。そして24年、全米で最大の人気を誇るトークショーの一つに、彼はこのネイビーのスーツを纏って登場した。
ベッカムのブランド愛はそれだけに留まらない。彼の履いているスニーカーに目を向けてみよう。これはロロ・ピアーナの「ソーホー・ウォーク」で、彼はほぼ全ての色を所持している。
長く、暑い夏をラグジュアリーに過ごすためのお手本がここにある。
From British GQ
by Adam Cheung
Translated and Adapted by Yuzuru Todayama