『これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 4』(青木祐子・著/集英社オレンジ文庫)を読みました。
まずは出版社の紹介文を引きます。
経理部の新入社員・麻吹美華は、なんでも率直にものを言う。オブラートに包むということがない。おかげで波風立てずに会社員生活を送りたい沙名子は、気苦労が絶えない。私生活では太陽とつきあいはじめたものの、初めての恋愛にペースを乱され戸惑い気味。そんなときも、面倒事は遠慮などしてくれない。沙名子はよく知る社員同士の不倫現場を目撃してしまい…?
これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 4 (集英社オレンジ文庫)
- 作者: 青木祐子,uki
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2018/06/21
- メディア: 文庫
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シリーズ化されるものは巻を重ねるごとに登場人物が自由に動くようになる。いや、私が書いているわけではないので、私がそういうのはおかしい。しかし読んでいてそんな感じがするのである。このシリーズも4巻を重ね、どんどん小説世界が構築されている。読者たる私はその世界にすうぅっと入り込み、登場人物の動きを玩味し面白がっていれば良いのだ。そうすることで3時間ほど別世界を遊ぶことが出来る。
本巻はちょうどバレンタインデーにちなんだ話となっている。第三話「本命は落ちません、義理なら落ちます」、第四話「正しければ勝つわけではないのなら、正しさに何の意味がある」はなかなか含蓄のある題名だ。
沙名子の好きな言葉は「イーブン」。釣り合って安定していること。毎日、借方・貸方を意識している女史らしい。職場は戦場ではない。人は誰でもデコボコしているものだが、差し引きゼロになればよしとする。私も心にと留めておこうと思う。
今月20日にシリーズ第5巻が上梓される由、さっそく予約注文した。