中学生の性欲の悩みに答える上野千鶴子

 朝日新聞の読者相談室「悩みのるつぼ」で「性欲が強すぎて困ります」という15歳の男子中学生からの質問に上野千鶴子が答えている(12月8日)。

 ぼくの悩みは性欲が強すぎて、今年受験だというのに、エッチなことばかり考えて勉強が手に付かないことです。(中略)
 毎日、自分で処理はしているのですが、どうしても本物の女の子の体に触れてみたくてたまりません。このままいくと、欲望に負けてしまい、夜道などで衝動的に女性を襲ってしまわないかと怖いです。
 こうした行為が犯罪であることは自覚しているのですが、自分の処理だけではどうしても満足できません。
 どうしたら、この欲望を抑えることができるでしょうか。
 教えて下さい。

 たしかに若いときはそうした悩みがあったのだ。歳を取ればそんな悩みは解脱できるのに。まあ、20〜30年かかるけど。
 回答者の上野千鶴子の答えが良い。

……まず覚えていてほしいのは、異性とつきあうのはめんどくさいってこと。友だちになるだけでめんどくさいのに、パンツまで脱いでもらう関係になるのはもっとめんどくさいです。それにセックスって子どもをつくる行為であることは覚えておいてくださいね。
 で、めんどくさいことを避けて相手のあるセックスって何か、知りたければ方法があります。知らないことは知っているひとに教えてもらうに限ります。経験豊富な熟女に、土下座してでもよいから、やらせてください、とお願いしてみてください。断られてもめげないこと。私の友人はこれで10回に1回はOKだったと言っています。昔は若者組の青年たちの筆おろし(って知ってますよね)を担ってくれる年上の女性たちがいたものでした。わたしだってもっと若ければ……ただし相手のいやがることは決してしないこと。ご指導に従って十分な経験を積んだら、ほんとうに好きな女の子にお願いしましょうね。コンドームの準備は忘れずに。

 いや、良い回答だ。そうか、お願いしたら10回に1回はできたのか。45年前に知りたかった。筆おろしを担ってくれる年上の女性のことは聞いたことがある。後輩のN君も高校生のとき、級友に教えられてある女性を訪ねていって筆おろしをしてもらったという。彼女は田舎から出てきて都会で一人暮らしをしていて、訪ねてくる男子高校生たちの相手をしてくれた。彼女がトイレに入ったとき、テーブルの上のメモ帳を見ると、カレンダーのところに友人たちの名前が書き込まれていた。あいつもあいつも来ていたのか。級友たちは彼女のことを「まん姉」と呼んでいた。まん・をしてくれるお姉さんの意味だろう。
 上野千鶴子が「わたしだってもっと若ければ……」と書いているが、若者はともかく、私だったら今の上野千鶴子さんで十分オーケーですが。
 そういえば、この欄の回答者である車谷長吉の人生相談がまとめられて『人生の救い』と題して朝日文庫から発行された。買わなくっちゃ。


車谷長吉の人生相談 人生の救い (朝日文庫)

車谷長吉の人生相談 人生の救い (朝日文庫)

  翻译: