負け組50代が人生を挽回! アイドルとの出会いに生きがいを見つけた
年齢的に挽回がきかないのが50代の特徴。が、収入やキャリアアップは見込めずとも、ほんの少し目線を変えることで、幸福な人生を見つけた人もいる。
日曜の夕暮れ時、家族連れやカップルで賑わうショッピングモールの屋外ステージ最前列に、その男、きよちゃん(55歳)はいた。
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カタモミ女子のメンバーはライブ活動と並行しながら、同じビルで営業するお客さんの肩を揉むリフレ店でも働いていた。
「ライブだけじゃなくリフレ店にも通うようになって、肩もみをしてもらいながらお話をするうちに、アイドル活動を頑張るりあちゃんの姿に感銘を受けたんです。アイドルを応援するというよりも、彼女の人柄に惹かれたんですよね」
高校卒業後に今の会社に就職。それから転職もせずに、サラリーマン生活を送ってきた。酒もタバコもやらず、これといった趣味もない。たまに気晴らしでゴルフの打ちっぱなしに行く以外はインドア派で、休日は家でテレビやDVDを観て過ごすのが常。これといった出会いにも恵まれず、独身を貫いてきた。
「小泉りあちゃんのファンになってからは、週末はもちろん、平日も行ける限りはライブに通い、それまで出不精だった自分には考えられないくらい世界も広がりました。たまにリフレ店にも顔を出しましたが、あくまで趣味の範囲でしかお金は使っていません。りあちゃん自身、ファンにお金を使わせることが申し訳ないと思うタイプなんですよね」
カタモミ女子脱退後、小泉りあはアイドル活動を休止。きよちゃんは元の日常に戻った。
「脱退後は多少の寂しさもありましたけど、アイドルは永遠じゃないことは分かっていたので覚悟はしていました。幸いりあちゃんは再びアイドル活動を始めたので、地元の茨城のイベントはもちろん、都内でライブや舞台があれば足を運びます」
たとえ収入アップや結婚などはできなくても、充実した人生は身近に転がっているのかもしれない。〈取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/渡辺秀之〉
グレーのワークキャップに黒縁メガネの“小洒落たサブカルおじさん”という出で立ち。しがないサラリーマンだった彼は、洗練された服装センスも含めて、この日のステージを飾った地下アイドル・小泉りあとの出会いで人生が一変した。彼女に対する献身的なファン活動がテレビ関係者の目に留まり’15年と’17年の2回にわたって、フジテレビの人気番組『ザ・ノンフィクション』で大々的に取り上げられたのだ。
「それまでまったくアイドルに興味はなかったんです。52歳のとき、たまたま知り合いに誘われて、秋葉原の雑居ビルにある小さな常設ライブ会場に連れて行かれたんです。そこでカタモミ女子のライブを観ました。地下アイドルの存在すら知りませんでしたが、歌と踊りの完成度が予想以上に高かった。その中で、一際輝いていたのが小泉りあちゃんでした」
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