Compressorの「MPEG-4」プリセット
Compressorの「HTTPライブストリーミングを準備」書き出し先およびAACプリセットとApple Losslessプリセットでは、「MPEG-4」トランスコードフォーマットが使われています。MPEG-4フォーマットは多くのさまざまなプラットフォームと互換性があり、インターネットでの配信用によく使用されます。このフォーマットを使って、オーディオPodcastやデジタルミュージック再生用のファイルを作成することもできます。(HTTPライブストリーミングについて詳しくは、Apple Developer Documentationで「HTTP Live Streaming」およびその他の関連ドキュメントを参照してください。)
ビデオ出力用に設定した場合、「MPEG-4」フォーマットに基づくプリセットでは、H.264とHEVCの2つのエンコーダが選択でき、H.264がデフォルトのコーデックです。macOS 10.13以降がインストールされている場合は「ビデオ」インスペクタでコーデックを「HEVC」に変更できます。
注記: 「MPEG-4」トランスコードフォーマットを使ったカスタムプリセットを作成することができます。
このトランスコードフォーマットを使用する内蔵およびカスタムプリセットのプロパティは、「一般」インスペクタ、「ビデオ」インスペクタ、「オーディオ」インスペクタ(後述)にあります。
プリセットの概要
インスペクタの一番上のセクションには、Compressorで使用されるプリセット名およびトランスコードフォーマット、出力ファイルの予想サイズ、およびビデオとオーディオのプロパティの概要が表示されます。ジョブにプリセットを追加するか、プリセットのプロパティを変更すると、この概要は自動的にアップデートされます。
一般のプロパティ
名前: プリセットの名前が表示されます。
説明: プリセットの説明が表示されます。
拡張子: 出力ファイルの拡張子(.mp4または.m4a)が表示されます。
セグメンテーションの書き出しを許可: このチェックボックスを選択すると、利用可能なメディアエンジンまたは共有コンピュータグループを使って出力ファイルが処理されます。セグメンテーションの書き出しには、macOS 14以降、およびApple M1 Max、M1 Ultra、M2 Max、M2 Ultra、またはM3 Maxを搭載したMacが必要です。共有コンピュータグループの使用について詳しくは、Compressorを使って複数のコンピュータでバッチをトランスコードするを参照してください。
デフォルトの場所: ポップアップメニューから、トランスコードしたファイルのデフォルトの保存先を選択します。
フォーマット: このポップアップメニューを使って、出力にビデオとオーディオを含めるか、ビデオのみを含めるか、またはオーディオのみを含めるかを指定します。Podcastとデジタル音楽再生に使用する場合は、オーディオのみを選択します。「フォーマット」を「オーディオ」に設定すると、拡張子が.m4aのオーディオのみのファイルが作成され、Apple LosslessとAACのどちらかの出力を選択できます。「フォーマット」を「ビデオ」または「ビデオとオーディオ」に設定すると、拡張子が.mp4のファイルが作成されます。
ネットワーク用に最適化: このチェックボックスを選択すると、ネットワークからファイルの一部のみがダウンロードされた時点で再生が始まるようになります。
拡張Podcast: このチェックボックスを選択すると、出力メディアファイルにPodcastの情報(注釈、マーカー、アートワーク)が埋め込まれます。Compressorでメタデータ注釈を操作するおよびCompressorを使ってマーカーを追加するを参照してください。
リタイミング
トランスコード処理時にフレームレートの調整に使用する処理アルゴリズムを設定します。以下のいずれかのオプションを選択します:
以下のパーセントのソースを使用: 出力クリップの速度をソースクリップの速度のパーセント値で変更します。パーセント値フィールドに値を入力するか、横のポップアップメニュー(下向き矢印)からプリセット値を選択します。
設定: クリップの継続時間を設定します。フィールドに継続時間をタイムコードで入力するか、矢印をクリックして時間を増減します。
ソースフレームを[フレームレート] fpsで再生: クリップの再生速度を非破壊で変更します。フレームが増減されることはありません。このプロパティは、「ビデオ」インスペクタの「フレームレート」プロパティでソースファイルのフレームレートとは異なる値を指定した場合にのみ効果があります。例えば、フレームレートが24 fpsで継続時間が10秒のソースファイルをCompressorに追加して、「ビデオ」インスペクタで「フレームレート」プロパティを25 fpsに設定してから、「一般」インスペクタで「ソースフレームを25 fpsで再生」を選択した場合、トランスコードされたクリップ(25 fps)の継続時間は9秒と15フレームになります。
詳しくは、Compressorを使ってビデオおよびオーディオをリタイミングするを参照してください。
キャプション
この領域には、「CEA-608キャプションを埋め込む」チェックボックスという1つのプロパティがあります。ジョブにCEA-608クローズドキャプションを追加していて、Compressorでそのキャプションを出力ビデオファイルに挿入したい場合は、このチェックボックスを選択します。Compressorでサポートされているキャプションの概要を参照してください。
メタデータ
トランスコードへのメタデータの埋め込み方法を指定します。Compressorでメタデータ注釈を操作するを参照してください。
ジョブ注釈を使用: 「ジョブ」インスペクタに表示されているジョブ注釈のメタデータを含めます。これがデフォルトのプリセットです。
ソース・ファイル・メタデータのまま: 既存のメタデータをソースファイルからトランスコードに渡します。「ジョブ」インスペクタに表示されているジョブ注釈は無視されます。
すべてのメタデータと注釈を削除: トランスコードにメタデータを渡しません。
ジョブ注釈として表示できないメタデータをソースファイルから取り込む: 「ジョブ注釈を使用」が選択されている場合に選択できます。「ジョブ」インスペクタに表示されているジョブ注釈のメタデータを含め、 既存のメタデータをソースファイルからトランスコードに渡します。
ビデオのプロパティ
一部のビデオのプロパティはそれらをサポートするコーデックでのみ有効になります。Compressorで無効になっているビデオのプロパティは、選択したコーデックではサポートされていません。
フレームサイズ: このポップアップメニューを使って、出力ファイルのフレームサイズ(解像度)を設定します。ポップアップメニューの横にあるフィールドにカスタムの値を入力するか、ポップアップメニューの4つのカテゴリからいずれかの項目を選択できます:
自動: 入力サイズに基づいて出力を調整します。最大解像度以下に制限できます。
割合(%): 入力サイズに対する割合に基づいて出力を調整します。
手動: 出力を強制的に特定の解像度に設定します。
制限: 出力を特定のアスペクト比に制限します。
出力アスペクト比に合わせてセンタークロップ: このチェックボックスを選択すると、「フレームサイズ」ポップアップメニューでアスペクト比を変更したときに、ビデオが新しいアスペクト比で中央に配置されるようになります。
ピクセルのアスペクト比: このポップアップメニューを使って、ピクセルアスペクト比(エンコードされた幅と表示幅の比)を設定します。
フレームレート: このポップアップメニューを使って出力ファイルの再生レート(1秒当たりに表示されるイメージ数)を設定するか、ポップアップメニューの横にあるフィールドにカスタムフレームレートを入力します。Compressorのリタイミングオプションを参照してください。
フィールドの順番: このポップアップメニューを使って、出力のスキャン方式を設定します(フィールドの優先順位を指定するか、プログレッシブスキャンに変換できます)。以下の4つのオプションがあります:
自動: ソースのフィールドの順番と選択したコーデックの機能に基づいて、最適なフィールドの順番を選択します。
プログレッシブ: すべてのラインが同時にサンプリングされ、ビデオが完全なフレームで表示されます。
上を優先: ビデオがインターレースされ、2つの異なるインターリーブフィールドとして表示されます。上のライン(偶数ライン)を含むフィールドが、下のライン(奇数ライン)を含むフィールドよりも先にサンプリングされます。このフィールドの順番は、HD(高精細度)PALビデオとSD(標準精細度)PALビデオでよく使用されます。
下を優先: ビデオがインターレースされ、2つの異なるインターリーブフィールドとして表示されます。下のライン(奇数ライン)を含むフィールドが、上のライン(偶数ライン)を含むフィールドよりも先にサンプリングされます。このフィールドの順番は、SD(標準精細度)NTSCビデオでよく使用されます。
色空間: このポップアップメニューを使って、広色域を含む新しい色空間にソースメディアを変換します。「自動」を選択すると、選択したプリセットに基づいて最適な色空間が自動的に選択されます。手動プリセットを選択して、デフォルトを無効化することもできます。広色域について詳しくは、Compressorでの広色域とHDRの概要を参照してください。
RAWからログ:このポップアップメニューを使って、ProRes RAWの変換方法を選択します。「自動」を選択すると、変換方法が自動的に選択されます。手動プリセットを選択して、デフォルトを無効化することもできます。このオプションを選択できるのは、ソースがProRes RAWの場合だけです。
カメラのLUT:このポップアップメニューを使って、ソースに適用するカメラのルックアップテーブル(LUT)を選択します。ビデオを別の色空間に変換するには、カスタムLUTを選択してください。
シネマティック: このポップアップメニューは、iPhoneのカメラアプリを使って「シネマティック」モードで録画されたビデオで使用でき、シネマティックメタデータの処理方法を指定します(macOS 12以降が必要です)。次の2つのオプションがあります:
無視: 「シネマティックモード」エフェクトは出力にレンダリングされません。
レンダリング: 「シネマティックモード」エフェクトが出力にレンダリングされます。
注記: このメニューは、読み込んだビデオファイルに「シネマティック」モードのメタデータがある場合にのみ表示されます。ファイルの読み込み時にメタデータが保持されるようにするには、特定の設定を調整する必要がある場合があります。詳しくは、「Motionユーザガイド」を参照してください。
ステレオスコピック: このポップアップメニューは、ステレオスコピックファイルや、新しいステレオスコピックプリセットを作成するときに使用でき、ステレオスコピックビデオで左右の目のビューがどのように使用されるかを選択します:
自動: ソースメディアに基づいて、出力設定が自動的にフレームパッキングまたはモノスコピックから選択されます。モノスコピック出力の場合は、ヒーローアイがファイルのメタデータから特定できればヒーローアイが使用されます。そうでない場合は左目が選択されます。
左目のモノスコピック: ステレオスコピックソースの左目を使用してモノスコピックビデオを出力します。
右目のモノスコピック: ステレオスコピックソースの右目を使用してモノスコピックビデオを出力します。
オーバー/アンダー: トランスコードされたビデオを、左目のレイヤーがイメージの上部に、右目のレイヤーがイメージの下部になっている、フレームパッキングされたステレオスコピック出力に設定します。
サイド・バイ・サイド: トランスコードされたビデオを、左目と右目のレイヤーが横に並んで表示される、フレームパッキングされたステレオスコピック出力に設定します。
コーデック: (「一般」パネルで)「フォーマット」を「ビデオ」または「ビデオとオーディオ」に設定した場合、使用可能な2つのトランスコードフォーマット、「H.264」と「HEVC」のどちらかを選択します。
エンコーダのタイプ: このポップアップメニューを使って、エンコーダのタイプを設定します。「コーデック」を「HEVC」に設定すると、このポップアップメニューが有効になります。以下の2つのオプションから選択します:
高速(標準品質): 高速なコーデックを使って標準品質で出力ファイルをエンコードします。
低速(高品質): 低速なコーデックを使って高品質で出力ファイルをエンコードします。
注記: エンコーダのタイプは、ハードウェアやプリセット構成によっては使用できません。
プロフィール: このポップアップメニューを使って、トランスコードに含まれる複雑さのレベルを設定します。「コーデック」を「H.264」に設定すると、このポップアップメニューに3つのオプションが表示されます:
高: 出力が高品質になりますが、古いH.264再生デバイスでは再生できない可能性があります。
メイン: ベースラインプロファイルとほぼ同じですが、標準精細度(SD)ビデオの要件に対応しています。
ベースライン: 主な用途は、ビデオ会議やモバイルアプリケーションです。
「コーデック」を「HEVC」に設定すると、出力ファイルの色深度(赤、緑、青の各カラーチャンネルのカラーを表現するために使用されるビットの数)が「プロファイル」ポップアップメニューで設定されます。次の2つのオプションがあります:
8ビットカラー: 画質とファイルサイズのバランスが適切になります。(このオプションは、HEVCのハードウェアエンコードをサポートしている最近のMacコンピュータでのみ使用できます。)
10ビットカラー: 高画質ですが、ファイルサイズは大きくなります。(このオプションではソフトウェアエンコードを使用するため、8ビットのハードウェアエンコードよりも大幅にパフォーマンスが低くなる可能性があります。)
エントロピーモード: 「コーデック」を「H.264」に設定したときは、このポップアップメニューを使って、エントロピーモードをCABAC(高品質の出力)またはCAVLC(処理が高速で、古いデバイスで再生する場合の互換性が高い)に設定します。
キーフレームの間隔: テキストフィールドに値を入力して、出力ファイルにキーフレームを作成するキーフレーム間隔(フレーム数)を設定します。「自動」を選択すると、フレームレートが自動的に計算されます(「自動」を選択した場合は、フィールドに0と表示され、実際の値はエンコード処理中に決定されます)。
平均ビットレート: このポップアップメニューを使って、以下の4つのオプションに基づいてビデオのデータレートを選択します。
カスタム: データレートを「カスタム」にプリセットすると、ビデオ信号を一定のキロビット/秒(Kbps)に制限する値フィールドが有効になります。レートを高くするとビデオが高品質になりますが、生成されるファイルが大きくなるため、ダウンロードや送信に時間がかかります。
コンピュータ再生: より大きく、より高品質なファイルが作成されます。
ソーシャルプラットフォーム: Webサイトでのホスティングに適した小サイズ(低品質)のファイルが作成されます。
HTTPライブストリーミング: インターネット経由でのストリーミングのライブ配信に適した小サイズのファイルが作成されます。
マルチパス: このチェックボックスを選択すると、マルチパスエンコーディングが有効になります。マルチパスエンコーディングでは、ビデオフレームが複数回かけて解析されるため、出力ファイルの品質が高くなります。トランスコードを短時間(1パス)で行うためには、チェックボックスの選択を解除します。
注記: マルチパスエンコーディングは、ハードウェアやプリセット構成によっては使用できません。
Dolby Vision 8.4メタデータを含める:このチェックボックスを選択すると、出力ファイルにDolby Vision 8.4メタデータが含まれます。Dolby Vision 8.4は、HDRコンテンツをAppleデバイス用に最適化するために設計されたフォーマットです。このチェックボックスが選択されている場合、「色空間」は「Rec.2020 HLG」、「コーデック」は「HEVC」、「プロファイル」は「10ビットカラー」に設定されます。
フレームの並べ替えを許可: トランスコード処理時にビデオフレームの並べ替えを許可することで出力ファイルの品質が上がる可能性がある場合には、このチェックボックスを選択します。
重要: 「フレームの並べ替えを許可」を選択すると、出力ファイルをより効率的に圧縮できることがありますが、古いハードウェアでは出力ファイルとデコーダの互換性が失われる場合があります。
360°メタデータ: このポップアップメニューを使って、出力ファイルに360°メタデータを含める場合にその種類を選択します。
自動: メタデータのフォーマットが、「ジョブ」インスペクタでのプロパティと、適用したトランスコードプリセットに基づいて自動的に選択されます。選択されたフォーマットはポップアップメニューの右に表示されます。
なし: 出力ファイルに360°メタデータが添付されません。
全方位ビデオV1: YouTubeやVimeoなどの共有サイトで最もよく使用されている360°メタデータフォーマットです。
全方位ビデオV2: それほど使用されていませんが、新しい360°メタデータフォーマットです。YouTubeおよびVimeoで使用されています。
詳しくは、Compressorを使って360°ビデオメタデータを表示するを参照してください。
クロップ、パディング、および回転
Compressorのクロップ、パディング、回転、反転のプロパティでは、最終的なクロップ、サイズ調整、アスペクト比、ビデオの向きをカスタマイズできます。
クロップでは、イメージからビデオコンテンツを切り取ることができます。パディングでは、出力イメージのフレームサイズを維持しながらイメージを縮小できます。これらのプロパティについて詳しくは、Compressorでのフレームサイズ変更の概要を参照してください。
「回転」と「反転」のプロパティを使って、Compressorで最終出力イメージを回転したり、反転したりすることもできます。これらにより、ワイドスクリーンイメージを回転して縦長にしたり、イメージを水平方向、垂直方向、または水平と垂直の両方向に反転したりできます。
注記: ステレオスコピック出力を準備する場合は、「クロップ」、「パディング」、「回転」、および「反転」の調整はおすすめしません。
クロップ: このポップアップメニューを使って、出力イメージのサイズを設定します。デフォルトの設定は「なし」ですが、メニューでクロップのプリセットを選択することで、出力イメージのサイズを変更できます。「ソースのレターボックスエリア」を選択すると、イメージのエッジが検出され、クロップ値が自動的に適用されます。この設定は、ソースファイルのレターボックス領域を削除したい場合に便利です。ワイドスクリーンイメージの上下の黒いバーが切り取られます。「出力アスペクト比に合わせてセンタークロップ」を選択すると、出力のフレームサイズを変更してもビデオが新しいアスペクト比で中央に位置するようにできます。カスタムクロップの場合は、「なし」を選択してから、「上」、「下」、「左」、および「右」の各テキストフィールドにピクセル値を入力します。
パディング: このポップアップメニューを使って、フレームのサイズを維持しながら出力イメージのスケーリングを設定します。これは特に、ソース素材の周囲にピラーボックス(フレームの左右の黒いバー)やレターボックス(フレームの上下のバー)を作成するときに便利です。デフォルトの設定は「なし」ですが、メニューでパディングのプリセットを選択できます。「ソースのアスペクト比を保持」を選択すると、出力のフレームサイズを変更してもアスペクト比が変化しないようにすることができます。カスタムパディングの場合は、「なし」を選択してから、「上」、「下」、「左」、および「右」の各テキストフィールドにピクセル値を入力します。
回転: このポップアップメニューを使って、出力イメージの回転を設定します。デフォルトの回転は「なし」ですが、イメージを90度、180度、または270度回転するように選択できます。これは、ビデオの撮影時にカメラの向きが正しくなかった場合に役立ちます。
反転: このポップアップメニューを使って、出力イメージを反転します。デフォルトの設定は「なし」ですが、「水平方向」、「垂直方向」、または「水平/垂直方向」を選択できます。この設定は、入力イメージの上下、左右、または上下左右を逆さにして出力イメージを作成したい場合に便利です。
注記: 「回転」プロパティは、常に「反転」プロパティの前に適用されます。
品質
以下のプロパティでは、Compressorでのトランスコード時のビデオのサイズ変更、リタイミング、その他の調整方法を指定します:
サイズ変更のフィルタ: このポップアップメニューを使って、サイズの変更方法を設定します。以下のオプションがあります:
直近ピクセル(最速): イメージのサイズを変更するときに、直近の隣接ピクセルがサンプリングされます。このオプションでは処理時間が最短になりますが、エイリアスアーティファクトが生じたりエッジがぎざぎざになったりする可能性が高くなります。
リニア: 重みの直線分布を使って、隣接ピクセル値が平均化されます。「直近ピクセル」よりもエイリアスアーティファクトが少なく、処理時間がやや長くなります。
ガウス: 重みのガウス分布を使って、隣接ピクセル値が平均化されます。処理時間と出力品質という、相反する要素のバランスおよび優先順位が中程度になります。
Lanczos2: 切断sinc関数を使って、隣接ピクセル値が平均化されます。このオプションでは「ガウス」よりも時間がかかりますが、結果がよりシャープになります。
Lanczos3: 「Lanczos2」と同様ですが、より多くのピクセル値が平均化されます。このオプションでは「Lanczos2」よりも時間がかかりますが、結果が改善されることがあります。
バイキュービック: バイキュービック関数を使って、隣接ピクセル値が平均化されます。処理時間と出力は「Lanczos2」および「Lanczos3」とほぼ同様です。
アンチエイリアス(最高品質): 出力品質は最高になりますが、処理にかなり時間がかかることがあります。
リタイミングの品質: このポップアップメニューを使って、リタイミングの方法を設定します。以下の4つのオプションがあります:
高速(直近フレーム): 直近の隣接フレームを使って、フレームが線形に補間されます。
標準品質(フレームブレンディング): フィルタを使って隣接フレームがブレンドされ、高品質な補間が生成されます。
最高品質(動き補正): 隣接フレーム間の移動領域を使用して補間するオプティカルフローを使って、高品質な出力が生成されます。
リバーステレシネ: テレシネ処理でフィルムの24 fpsからNTSCの29.97 fpsに変換する際に追加された余分なフィールドを削除します。Compressorでリバーステレシネを使うを参照してください。
適応の詳細: このチェックボックスを選択すると、出力時に高度なイメージ解析によってノイズ領域とエッジ領域が区別されます。
アンチエイリアスレベル: 出力イメージの柔らかさを設定します。柔らかさを高めるには、値をダブルクリックして新しい値を入力するか、スライダを右にドラッグします。このプロパティを使うと、メディアを拡大するときの変換品質を高めることができます。例えば、SDビデオをHDにトランスコードする場合、イメージにぎざぎざに表示されるエッジがあってもアンチエイリアスで滑らかになります。
詳細レベル: 出力イメージの細部の量を設定します。値を設定するには、値をダブルクリックして新しい値を入力するか、スライダをドラッグします。シャープニングをコントロールすることによって、イメージを拡大したときに細部を維持できます。ほかのシャープニング操作とは異なり、「詳細レベル」プロパティではノイズと輪郭の細部が区別されるため、通常は必要以上に画像が粗くなることはありません。この値を大きくすると、エッジがぎざぎざになることがありますが、「アンチエイリアスレベル」スライダを上げれば解消できます。
ディザリング: 選択すると、サイズが大きく邪魔に感じられるカラーバンディングなどのパターンを防止するために、特定の種類のノイズがイメージに追加されます。レンダリング後にイメージのノイズが多すぎる場合は、このチェックボックスの選択を解除します。
ビデオエフェクト
Compressorで使用できるビデオエフェクト、およびビデオエフェクトをプリセットに追加する方法については、Compressorでエフェクトを追加する/削除するを参照してください。
オーディオのプロパティ
チャンネルレイアウト: このポップアップメニューを使って、オーディオ・チャンネル・レイアウトを設定します。
サンプルレート: このポップアップメニューを使って、音楽の波形(サンプル)をデジタルデータとして取り込む1秒当たりの回数を設定します。サンプルレートが大きいとオーディオ品質は高くなりますが、ファイルサイズは大きくなります。
サンプルサイズ: このポップアップメニューを使って、オーディオ信号のサンプルサイズを手動で設定します。
フォーマット: このポップアップメニューを使って、MPEG-4オーディオコーディングフォーマットを選択します。
品質: このポップアップメニューを使って、オーディオ出力の品質を選択します。
ビットレート: このポップアップメニューを使って、エンコード後のオーディオのビットレートを設定します。
ビットレート方式: このポップアップメニューを使って、オーディオのエンコードに使用する方式を選択します。以下の4つのオプションがあります:
固定ビットレート: 「ビットレート」で設定した値によって、エンコード後のオーディオのビットレートが決まります。
平均ビットレート: 「ビットレート」で設定した値によって、エンコード後のオーディオの目標平均ビットレートが決まります。このオプションでは、可変ビットレートよりも一貫したビットレートが得られます。
可変ビットレート(制限あり): 「ビットレート」で設定した値によって、エンコード後のオーディオの最大ビットレートが決まります。
可変ビットレート: Compressorによって決定された可変ビットレートを使ってオーディオがエンコードされます。
オーディオエフェクト
Compressorで使用できるオーディオエフェクト、およびオーディオエフェクトをプリセットに追加する方法については、Compressorでエフェクトを追加する/削除するを参照してください。
このガイドをダウンロードする: PDF