右翼のルペン氏、得票4割 フランス大統領選が可視化した「分断」

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パリ=疋田多揚
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 日が暮れたばかりのパリのエッフェル塔のたもとを、再選した中道の現職エマニュエル・マクロン氏(44)は20~30人の若者と並んでゆっくりと歩み、勝利演説の演台へと向かった。

 5年前、勝利演説に選んだルーブル美術館の広場での光景とは、正反対の演出だった。当時、マクロン氏は長い中庭をたった1人で演台まで歩いた。集まった支持者と一切触れあわず、自らを「権力者」だと見せつけた。

 5年後の24日、マクロン氏は駆けつけた支持者と握手を交わし、10分ほどかけて演説台にたどり着いた。

庶民の怒りを買ったマクロン氏

 それだけ、「国民とともに歩む」と演出する必要に迫られた任期だった。

 燃料税を引き上げようとして…

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    ドミニク・チェン
    (情報学研究者)
    2022年4月26日12時47分 投稿
    【視点】

    アジア系フランス人として10代の多くの時間をパリで過ごした身からすると、ルペン姓の候補者が大統領選の決選投票に(2017年から数えて)二回も残り、得票を重ねているという事実に慄きます。マリーヌ・ルペン氏の父親であるジャン・マリ・ルペン氏の名

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    沢村亙
    (朝日新聞論説主幹代理=国際政治、社会)
    2022年4月25日12時48分 投稿
    【視点】

     事前の世論調査の推移から見れば、得票差は意外に開いた印象だ。確かに「59%対41%」というのは通常の選挙では大差といえる。しかしかつてパリ特派員として、ルペン氏率いる「国民連合」の前身である「国民戦線」を取材し、その歴史的に強烈な排外主義

    …続きを読む