女子御三家・桜蔭の隣にタワマン計画 「のぞかれるかも」校長の懸念
私立の中高一貫校で「女子御三家」の一つ、桜蔭(おういん)学園(東京都文京区)の校舎の隣に、地上20階建てのタワーマンションの建設が計画されている。教室の生徒がのぞき込まれてしまうのではないか――。学園は日照やプライバシー面の懸念を訴え、計画見直しを求めている。
桜蔭中学・高校は、東京大をはじめ多くの学校が集まる文教地区の文京区本郷にある。東京ドームに近い駅である地下鉄水道橋駅から徒歩5分、大通りから細い坂道を上った閑静なエリアだ。
今年で創立98年を迎えた伝統校は、東京女子高等師範学校(現在のお茶の水女子大)の同窓会である桜蔭会が創立した。進学実績は全国トップクラスで、今年の東大合格者は77人(現役69人)。中学受験の最難関校の一つとして知られ、現在は約1400人の生徒が通う。
タワマンは69メートルの20階建て 校舎は地上6階建て
タワマンの建設予定地は通学路である坂に接しており、現在は地上8階地下1階建てのマンション(68戸)が立っている。8月下旬から縦覧された計画案によると、1979年築の既存マンションを建て替え、地上20階地下1階、高さ69メートルの超高層マンション(197戸)をつくる。2025年着工、28年7月の完成を目指すという。
「計画書を見てがくぜんとしました。教室に日が当たらなくなり、生徒のプライバシーは守られなくなる。教育環境が悪化する危機的状況だ」。桜蔭学園の齊藤由紀子理事長(校長)は言う。計画を知ったのは昨年8月。建て替え自体に反対していたわけではないが、内容が不安だという。
他の御三家や幼稚園周辺でもトラブルが起きています。記事後半では、タワマンが盛り上がる理由やマンション紛争が抱える課題に迫ります。
まず日照の問題だ。西館と呼…