「父も活躍した夢舞台へ」清原和博さんの息子が2ラン 慶応が快勝
22日、秋季関東地区高校野球大会1回戦、常磐大3―5慶応
大打者だった父の前で大きな放物線を描いた。
1―1の同点で迎えた四回裏、慶応の7番打者、清原勝児選手(1年)は左足を高く上げ、狙っていた内角の直球を強振。左翼への飛球を見つめた。
大事な初戦、緊張もあった。直前の三塁守備で強い当たりのゴロを後逸。攻守交代時には「すみませーん!」と明るくベンチに戻り、会場はどっとわいた。打席に入る前、帽子のつばの裏に書かれたメッセージを見た。
「己を信じてリラックス センター返し」
書いたのは父で元プロ野球選手の和博さん。大阪・PL学園高時代に2度の甲子園優勝を果たした。9月にあった神奈川県大会の決勝前日に書いてもらい、「大きな大会は誰しもが緊張する。地に足つけて」と助言をもらった。
心を整え、「取り返してやる」と臨んだ打席。手応え十分の打球は勝ち越しの2点本塁打になり、スタンドで見守る父からも大きな拍手。チームはリードを保ち、2018年夏以来の甲子園に向けて初戦を突破した。
父は甲子園で歴代1位の通算13本塁打を放った。「父も活躍していた夢の舞台にいくために、一戦一戦勝っていきたい」