給食アレルギー事故の少女が遺した詩「ちょっとちがう」に広がる共感
東京都調布市の市立小学校で給食を食べ、アレルギーのショックで亡くなった小学5年生の少女(当時11)が書いた詩が歌い継がれ、アレルギーなどに悩みを抱える人たちを励ましている。12月20日で事故から10年。学校での食物アレルギー対策は、事故をきっかけに改善が続けられ、多くの子どもたちを救っている。
詩のタイトルは「ちょっと ちがう」。事故で亡くなった沙清(さきよ)さんが4年生の時、授業で書いた。
「わたしは みんなと ちょっとちがう」
そう始まる詩は「でも ママが 『それでいいのよ』っていってたの」と結ばれる。
沙清さんは乳製品に重いアレルギーがあり、普段はアレルギー食材を除いた「除去食」を食べていた。
5年生だった2012年12月20日、おかわりをしたチヂミにチーズが入っており、誤って提供されてしまった。
食べるのが大好きで、楽しいことが大好き。もめごとは苦手で、いつも前向きだった。
幼いころから沙清さんを知る地元の絵本歌アーティスト・西村直人さん(58)は葬儀で詩を知り、歌にしたいと思った。
家族から「可哀想ではなく、幸せな子だったと伝えてください」と託され、各地で開く親子ライブなどで歌い継いでいる。
「うちの子もアレルギーがあるけれど気持ちが楽になりました」
「子どもの障害で悩んでいたけれど、違いを受け止められました」
演奏後に涙ながらに打ち明けられることも多いという。
西村さんは「沙清ちゃんの優しいメッセージが、悩む人の心に響いている」と話す。
CDの収録では、沙清さんの…