【詳報】藤井聡太、感想戦後の告白 なぜ2手目に王者の一手を指すか

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北野新太 黒田健朗 佐藤圭司 村瀬信也
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 渡辺明名人(38)に藤井聡太竜王(20)=王位・叡王・棋王・王将・棋聖と合わせ六冠=が挑戦する第81期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)第1局が6日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で前日から指し継がれ、対局2日目が始まった。

 渡辺名人がタイトルを防衛して4連覇を遂げるか、藤井竜王が初の名人獲得で史上2人目の七冠を果たすか。藤井竜王がシリーズを制すれば、名人獲得の最年少記録を40年ぶりに更新することになる。

 振り駒で渡辺名人が先手を握って始まった第1局。1日目は重厚な序盤戦が続いた。シリーズの主導権を決める重要な開幕局の2日目、両者の戦いに熱視線が注がれる。

 朝日新聞デジタルでは、将棋界の枠を超えた注目を集める七番勝負の模様をタイムラインで徹底詳報する。

終局後

藤井竜王が語る「王者の一手」  将棋担当・北野新太の目

 名人戦七番勝負第1局2日目の夜も10時を回った。

 名人の渡辺明に先勝した挑戦者の藤井聡太は1時間10分に及んだ感想戦を終えると、渡辺に続いて対局室を出た。

 羽生善治森内俊之、そして渡辺。多くの名人たちが歩いてきた廊下を進む挑戦者の背中を私は追った。

 上階へのエレベーターに藤井が乗った後、閉まるドアの間に滑り込むように入った。どうしても明らかにしておきたい疑問があったのだ。

 ドアが開き、隣で歩きながら「少しだけだけ時間を」と願うと、藤井は朗らかに言った。「ハイ、分かりました。では、こちらで」。ソファに腰を沈めて向き合い、短い取材をした。

藤井聡太竜王が終局後に語った言葉は、将棋観が現れたような濃厚なものでした。デビュー当時から取材を続ける北野新太記者の取材です。

 初めての名人戦で、初めて経…

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この記事を書いた人
北野新太
文化部|囲碁将棋担当
専門・関心分野
囲碁将棋
黒田健朗
経済部|総務省担当
専門・関心分野
漫画、アニメ、放送