国産半導体、巻き返せる?ラピダス会長「調べ尽くした。可能性ある」
伊沢健司
人工知能(AI)や自動運転、ロボットなどデジタル社会の基盤で、経済的な安全保障にも直結する戦略物資となった半導体。次世代製品の国内での量産化をめざすラピダスは、世界に後れをとる日本の状況をどう巻き返そうとしているのか。東哲郎会長が朝日新聞の単独インタビューで、その戦略とビジネスモデルを明かした。
半導体は、回路の幅が狭いほど計算の速度が上がり、電力消費も少なくて済む。こうした微細化の技術で台湾積体電路製造(TSMC)や、韓国のサムスン電子は、幅3ナノメートル(ナノは10億分の1)級の製品の量産を始めたと昨年それぞれ発表した。
一方、日本メーカーが国内の工場でつくれるのは40ナノにとどまる。ラピダスは提携する米IBMから2ナノ級の技術を採り入れ、米国やベルギーの研究拠点とも連携しつつ、北海道千歳市に建てる予定の工場で2025年から試作を始める方針だ。
東氏は「日本は20年ほど後れをとってしまった。ラピダスがそれを取り返そうとしている」と語った。
一方、「技術ができなければ…