ロシアの民間軍事会社「ワグネル」創設者のプリゴジン氏による軍への反乱は、約24時間で収束しました。モスクワ市のソビャニン市長は26日、導入していた「対テロ作戦」の態勢を解除すると明らかにしました。
一方、プリゴジン氏がモスクワへのワグネル部隊の進軍を中止した後、プリゴジン氏の動静に関して、様々な観測が飛び交っています。
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■■■6月26日(日本時間)■■■
23:09(モスクワ17:09)
ロシア外相「ワグネルはアフリカで活動継続」
ロシアのラブロフ外相は26日、ロシア軍への反乱を企てた民間軍事会社「ワグネル」について、今後も西アフリカのマリと中央アフリカ共和国での作戦を続けると述べた。AFP通信などが、ロシアのニュースメディアRTのインタビューを引用して伝えた。
ラブロフ氏は、アフリカでワグネルのメンバーが「教官として働いており、その任務はもちろん続く」と発言。マリと中央アフリカについては、欧州とフランスが見捨てたため、軍の教育と指導者の安全確保を求めてロシアに頼ってきたと指摘した。
その上で、ラブロフ氏はワグネルの創設者プリゴジン氏による反乱の企てがロシアと同盟国の関係に影響を与えることはないと強調。友好関係にある国々からプーチン大統領に「支持を表明する電話がたくさんきている」と話した。
18:00(ビリニュス11:00)
独連邦軍、リトアニアに「4千人の常駐部隊を派兵する用意」
ドイツのピストリウス国防相は26日、バルト3国のリトアニアに、独連邦軍4千人を常駐部隊として派兵する用意があると述べた。独公共放送ARDによると、ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏の反乱などを踏まえ、リトアニアは同国での北大西洋条約機構(NATO)のプレゼンス強化を求めているという。
同日、リトアニアの首都ビリニュスを訪問したピストリウス氏は「リトアニアに強固な旅団を常駐させる用意がある」と述べた。派兵にはNATOの計画との調整に加え、兵士が駐留するためのインフラ整備などが必要になるという。
AFP通信によると、独連邦軍はリトアニアに兵士800人がすでに常駐しているほか、ロシアのウクライナ侵攻を受け、さらに650人が一時的に駐留しているという。
リトアニアは、ロシアの飛び地カリーニングラードやベラルーシなどと国境を接している。
17:00(ルクセンブルク10:00)
独外相「ロシアは自分の国を滅ぼしている」
ドイツのベアボック外相は26日、ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏による反乱に関して、「明らかなことは、(ウクライナへの)この大変残忍な侵略戦争で、ロシアは自分の国を滅ぼしているということだ」と述べた。欧州連合(EU)の外相会合を前に記者団に語った。
ベアボック氏は、反乱について「ロシア内で起きた権力闘争であることは明らか」としたうえで、「ロシアドラマの一幕に過ぎないようだ。関与した人たちに何が起きるかはわからない」と述べ、今後の影響を注視する姿勢を示した。
17:00(ブリュッセル10:00)
「怪物が創造主に逆らった」
ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏による反乱をめぐり、欧州連合(EU)の外相に当たるボレル外交安全保障上級代表は26日、「プーチン(ロシア大統領)がワグネルとともに作り出した怪物が、いまプーチン自身にかみついている。怪物は自分の創造主に逆らって行動している」と語った。
この日、ルクセンブルクで開…
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