坂本弁護士一家殺害事件から33年 日弁連会長、慰霊碑を追悼訪問へ
横浜市磯子区の坂本堤(つつみ)弁護士(当時33)のアパートにオウム真理教の幹部らが押し入り、一家3人が殺害された事件をめぐり、日本弁護士連合会の会長が3人の慰霊碑を追悼訪問することになった。現職の日弁連会長が公式に訪問するのは初めて。発生から33年が経過した事件を「弁護士に対する重大な業務妨害事件」ととらえ、風化を防ぐことを目的としている。
慰霊碑は3人の遺体が遺棄された現場付近に立つ。日弁連の小林元治会長は、26日に坂本弁護士が遺棄された新潟県上越市名立区と妻の都子(さとこ)さん(当時29)が遺棄された富山県魚津市を訪れ、27日には長男の龍彦ちゃん(同1)が遺棄された長野県大町市を訪問する予定だ。
事件を巡っては、オウム真理教元代表の松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚が、教団を批判し被害救済活動をしていた坂本弁護士を、「教団の障害になる」として殺害を指示。1989年、教団元幹部らは首を締め付けるなどして家族3人を殺害し、遺体を別々に遺棄した。教団はその後、地下鉄サリン事件などを引き起こし、警察の捜査により、3人の遺体は姿を消して約6年後に発見された。
弁護士の業務妨害対策の原点
当時、若手の弁護士だった小…