地球沸騰の時代、私たちはどう生き抜くか 斎藤幸平さんが語る

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編集委員・石井徹
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 北半球が観測史上最高の気温を記録した今夏、国内では熱中症豪雨災害が、国外では熱波や山火事が相次いだ。世界が目指している気温上昇を産業革命前と比べて1・5度に抑える目標は風前のともしびだ。

 地球沸騰化の時代をどう生き抜くのか。東京大学准教授で哲学者の斎藤幸平さんに聞いた。

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斎藤幸平さんが登壇する「朝日地球会議2023」は10月9~12日、リアルとオンラインのハイブリッドで開催します。9~11日は東京・有楽町朝日ホールに読者の皆様を招待し、同時にライブ配信。12日はオンライン配信のみです。参加費は無料。事前登録が必要です。

 気温上昇や異常気象を身近に感じるようになり、気候変動への危機感は高まっている。ただ斎藤さんは「驚くには値しない。こうなることは分かっていた」と言う。科学者は以前から警告していたが、見せかけの対策でお茶を濁し、実質的な対策に取り組まなかった結果だ。

「脱成長」が議論されない日本

 斎藤さんは、私たちは自然災害だけでなく、民主主義や経済、環境など、いくつもの危機が増幅する「ポリクライシス(複合危機)」に直面しているという。今後も気温上昇は避けられず、慢性的なポリクライシスに振り回され続ける。

 日本では、気候変動はいまだ…

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この記事を書いた人
石井徹
編集委員
専門・関心分野
環境、エネルギー