JUJUの原点は幼少期に 「歌っていなかったら人生が破綻してた」

有料記事わたしのみっつ

聞き手・野城千穂
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 オリジナル曲に加え、ジャズから昭和歌謡まで幅広いジャンルの名曲をカバーし歌い継ぐ歌手のJUJUさん。今年は自身初の47都道府県ツアーを開催した。精力的な活動を支え、原点として大切にする「みっつ」を教えてもらいました。

JUJUさんの「わたしのみっつ」 ①辛いもの ②スナック ③音楽

「刺激の少ない人生ですから」

 《デビューから間もなく20年。最近採り入れたルーティンがある》

 開演前に辛いカレーを食べると良いと、20年でようやく気付きました。リハーサル直後に食べると、辛さで体が覚醒するし、本番はすごく元気です。しかも全国どこに行ってもおいしいカレー屋さんはある。ツアーで行った土地のカレーをいただくのもこれからの楽しみです。

 《歌手の中には、のどを気にして刺激物を避ける人もいる》

 私はのどが元々強いタイプなのだと思います。持論ですが、のどと肌はスパルタがいいのでは。

 一味でも七味でも、唐辛子のピリピリとした辛さが好きです。何かを食べる予定が無くても、常に辛味は持ち歩いています。今日も、ほら。現場のお弁当などでよく使います。

 刺激の少ない人生ですから、刺激を求めているのだと思います。よく「音楽業界って華やかですよね」と言われますが、全然。確かにライブは、たくさんの方に足を運んでいただいて、照明も当たって、すごく華やか。だけどあの瞬間は、私は基本的に幻だと思っています。幕が下りたら、終わり。

 ライブ前は、ライブに行こうと思ってくださった方との約束を絶対に反故(ほご)にしたくないから、体調を崩さないように遊びにも飲みにも行かない。レコーディングに至るまでの作業も本当に地味なことばかり。そうやって地味な時間を過ごしながら、私も幻をずっと追いかけ続けている気がします。あの幻の中にみんなでいたいので。

ジレンマを抱えながらデビュー

 《辛い物好きは幼少期から。早熟で、幼稚園の頃に初めて親に買ってもらったレコードは大橋純子さんの「シルエット・ロマンス」。好きなドラマは「金曜日の妻たちへ」や「火曜サスペンス劇場」。大人たちの世界は魅惑的だった》

 幼稚園の歌の時間は楽しかったけど、「ちょうちょう」とか「チューリップ」よりも、「シルエット・ロマンス」をみんなで歌いたかった。切なさの極致ですよね、あのメロディーラインって。ただ明るいものよりも、マイナーコードの、心がザラッとするものが好きでした。

 子どもの頃、周りの大人たち…

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この記事を書いた人
野城千穂
文化部|音楽担当
専門・関心分野
音楽、舞踊