入学前の子の個人情報、小学校が無断でPTAに提供 埼玉県内で判明
子どもや保護者の個人情報を、小学校が本人たちの同意なくPTAに提供していたケースが、埼玉県白岡市内で明らかになった。市教育委員会は全ての市立小中学校に改善を促した。きっかけは、ある保護者が抱いた疑問だった。実際にはPTAが使うお金を、学校が説明せずに保護者から集めていた問題も明るみに出た。
学校は個人情報保護法にもとづき、原則として、子どもや保護者の名前や住所、電話番号などを本人の同意なく第三者に提供してはならないとされている。
2022年2月。白岡市に住む40代の女性は、ある資料を見て驚いた。
女性は、子どもが通う市立小学校のPTAで、新年度の役員を引き受けることになっていた。
引き継ぎ資料の中に、入学予定の子らの名前や住所、保護者の電話番号などが書かれたリストが数年分あった。「(秘)」と赤い字で記された年もあった。
うち一つのリストには、作成時に入学前だった女性の子どもの名前があった。しかし、事前にPTAに伝えた覚えも、学校から「PTAに伝えていいか」と聞かれた覚えもなかった。
女性がPTA役員に尋ねると「登校班の編成をPTAが担っており、そのために学校から情報が提供された」と話したという。
毎年、子どもや保護者の個人情報が勝手に渡されていたのか。女性は学校とPTAに「恐怖、不信感、嫌悪感」を抱いた。
その後、さらに不審に思う出来事があった。
ある日、6年生の息子が学校…