第2回亡くなった娘2人からの贈り物 70歳父は、がれきをかき分け捜した
一人の高齢男性が、能登半島地震で倒壊した自宅のがれきをかき分け、「宝物」を捜していた。
石川県輪島市の神崎浩二さん(70)。最愛の娘2人が、自宅の下敷きになって亡くなったばかり。
2人が生前に贈ってくれた品だけは、どうしても見つけたかった。
長女の希美(のぞみ)さん(43)は、金沢市内の薬局で働いていた。明るい性格で友だちが多いけれど、困ったことがあるとすぐに母親に相談した。
次女の麻衣子さん(40)は、小さなころは甘えん坊だったが、成長するにつれて自分の考えをしっかり持つようになった。小柄ながら、学生時代はバレーボール部のアタッカーとして活躍。東京都内で働いていた。
元日。2人の娘がそろって帰郷し、久しぶりに家族がそろった。
朝は、正月の恒例で、ぜんざいを食べた。仕事のために正月の帰郷は久しぶりの麻衣子さんが「うちの味だね」と喜んだ。
午後4時過ぎ。姉妹は大好きな東京ヤクルトスワローズのDVDを見ながら、居間で観戦計画を練っていた。
突然、緊急地震速報が鳴り響き、最初の揺れが襲った。
2階にいた神崎さんと、台所にいた妻の智子さん(66)が、娘たちがいる1階の居間に集まった。
「久しぶりに聞いたな」。緊急地震速報について麻衣子さんがそう言った瞬間、激しい揺れが襲い、家が倒壊した。
娘2人の上には柱のような物…
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