事故から13年 処理水放出、廃炉作業の行方は…福島第一原発はいま

有料記事

矢田文 佐々木凌
[PR]

 東京電力福島第一原発の事故からまもなく13年となる。処理水の海洋放出が昨夏始まり、敷地内のタンクが増え続ける状況が変化した。だが廃炉作業は足踏みが続き、終わりは見えないままだ。

 処理水の海洋放出は、昨年8月24日に始まった。初年度の2023年度は、敷地内で保管しているタンクの水3万1200トンを4回に分けて放出する計画。24年度は、7回にわけて約5万4600トン分を流す。

 処理水は、汚染水を多核種除去設備(ALPS=アルプス)に通し、大半の放射性物質を取り除いた後、トリチウムの濃度を1リットルあたり1500ベクレル(国の放出基準の40分の1)未満となるよう海水で希釈したもの。海底トンネルを介して沖合約1キロにある放水口から海に流す。

 処理水として放出するには、含まれる放射性物質が基準未満であることを確認する必要がある。

 ALPSではトリチウムを除…

この記事は有料記事です。残り1914文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
矢田文
科学みらい部|原子力・災害担当
専門・関心分野
いきもの、環境問題、沖縄、依存症
佐々木凌
科学みらい部|宇宙担当
専門・関心分野
宇宙、原発・エネルギー、災害・防災