「旧体制」復活への強い危惧 憲法学者が考える自衛隊の靖国参拝
自衛隊幹部らによる靖国神社への集団参拝が相次ぎ明るみに出て、「憲法が定める政教分離原則に違反するのでは」「自衛隊は旧日本軍と断絶しているのか」などと議論を呼んでいます。何が問題なのか。政教分離や信教の自由に詳しい、憲法学者の斉藤小百合・恵泉女学園大学教授に話を聞きました。
さいとう・さゆり 1964年生まれ。恵泉女学園大学教授。専門は「信教の自由」。著書に「打ち捨てられた者の『憲法』」など。
日本国憲法の制定には、旧体制(アンシャン・レジーム)と決別する意味がありました。自衛隊員の靖国神社への集団参拝から感じるのは、旧体制が復活しようとしているのではないかという強い危惧です。
旧体制とは、天皇を絶対的な君主とする大日本帝国憲法下での天皇制、軍国主義にのめりこんでいった軍隊、神聖な天皇が国家の中心だとする国家神道という「天皇・軍・神」が一体化した構造です。
■組織的な参拝とみるほかない…
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