上限時間オーバー防止、労働環境改善、でも減る「長距離輸送の魅力」
高橋豪 平林大輔
1日にトラック運転手の労働時間の規制強化が始まったが、長時間労働の見直しや賃金水準を上げる取り組みは途上だ。働きやすい環境にすることで人手を確保できれば、物流危機を防ぐことにもつながる。だが、それらを阻む構造的な問題が、現場で山積している。
4月からは時間外労働の上限規制だけでなく、運転手の休憩を含む拘束時間など「改善基準告示」も厳しくなる。拘束時間は1日最大15時間以内に収めなければならない。すでに規制強化を見据えて働き方を見直す動きもあるが、長距離の労働環境はなお厳しい。
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物流大手子会社の関東地方にある営業所。トラック運転手の50代の男性は、自動車部品を北海道まで運ぶことがある。往復で丸3日。途中、高速道路のサービスエリア(SA)やフェリーなどで寝泊まりする。
深夜のSAはトラックの駐車…