肥満じゃない人こそ気をつけて! 早食い、朝食抜きで糖尿病リスク↑
肥満じゃない人こそ、早食いや朝食抜き、就寝前の食事に注意しないと、2型糖尿病の発症リスクを高めてしまうと、京都府立医大などの研究チームが、約13万人の追跡調査から突き止め、専門誌に発表した。日本人は太っていなくても糖尿病になる人が欧米の人に比べ多いとされるが、食事の仕方に気をつけることでリスクを減らせる可能性が示された。
欧米の研究では、早食いや朝食抜きなどの食習慣が2型糖尿病発症と関連することが示されている。日本でも同様の報告があるが、調査の規模が小さかったり、追跡期間が短かったりしていた。
肥満タイプの患者が多い欧米とちがって、日本ではやせていても糖尿病を発症する人も少なくないため、研究チームは、肥満でなくても食習慣で糖尿病リスクが高まるかについて、大規模かつ長期にわたる追跡調査をもとに分析した。
この調査では2008~17年、もともと糖尿病ではない12万8594人(平均44歳)に対し、食習慣などを尋ねた後に、最大10年(平均6.4年)追跡したところ、6729人(5.2%)が糖尿病を発症した。「朝食抜き(週3日以上)」「早食い」「夕食後の間食(同)」「就寝前2時間以内の食事(同)」のいずれも2型糖尿病の発症リスクを高めた。
さらに、体格指数(BMI=体重〈キロ〉÷身長〈メートル〉÷身長〈メートル〉)が25以上を肥満とし、それを境に、食習慣で発症リスクが変化するかを調べた。肥満は糖尿病の大きなリスクと知られ、今回の調査でも単純な発症割合は肥満(11.4%)の方が肥満でない(3.3%)よりぐっと高い。
分析の結果、肥満ではない人では、「早食い」だとゆっくり食べる人に比べ、発症リスクが1.61倍に跳ね上がった。ふつうの速さで食べる人も、ゆっくり食べる人に比べ、1・42倍と高くなった。肥満の人ではいずれも統計上、明確な差が出なかった。
また、肥満でない人の「朝食抜き」では、朝食をよくとる人の1.36倍の発症リスクとなったのに対し、肥満の人は「朝食抜き」だと1.26倍となった。「就寝前2時間以内の食事」も肥満でないとリスクが1.09倍となった。
肥満でない方が食習慣の影響…
- 【視点】
早食いの人が肥満になりやすいということは知っていたのですが、肥満ではない人も、早食いによる悪影響があるとは、驚きました。夕食後の間食、就寝前2時間以内の食事も、太る原因とよく言われます。太らなくてもこうした習慣は、改善した方がいい、というこ
…続きを読む