娘の病きっかけ、門外漢の父が救った17万の命 来月、映画イベント
町工場を経営していた父親が、愛知県春日井市に医療機器会社を起こし、心臓病の娘の命を救おうとカテーテルを開発した実話を元にした映画「ディア・ファミリー」が、6月14日から全国で公開される。公開を前に、一家とゆかりの深い金城学院高校(名古屋市東区)でイベントが同月1日に開かれる。
主人公のモデルは、1991年に23歳で亡くなった筒井佳美さん。心臓病を患い、余命宣告を受けると、父の宣政さんは医学に門外漢ながら、ビニールチューブ製造会社を経営しながら研究室をつくった。次女佳美さんの命を救えなかったものの、1990年に国内メーカーとして初めて「IABPバルーンカテーテル」の商品化に成功。世界で17万人の命を救ったといわれる。
映画は春日井市を中心に、名古屋市や豊川市、西尾市などで撮影された。佳美さんをはじめ、姉の長女奈美さん、妹の三女寿美さん、母陽子さんも通った金城学院中学校(名古屋市東区)で今月24日、試写会があり、三女役の俳優新井美羽さんのほか、奈美さんと寿美さんも駆けつけた。
新井さんは「初めて台本を読んだ時、現実味がなかった。こんな家族がいたことに驚いた。たくましくてかっこいい勇敢な家族だと思った」と話した。佳美さんと2歳違いの奈美さんは「運動会を見学していた妹に友だちが声をかけ、笑顔で写真を撮っていたのが印象的。体は大変だったけど一番元気な時期だった」とふり返った。
6月1日午後1時半~5時、同校で「ディア・ファミリーデーfrom金城学院」と題し、映画制作プロデューサーのトークイベントや原作本の朗読、パネル展示などがある。5月30日までに事前予約が必要。問い合わせはメール(dfpk@hs.kinjo-u.ac.jp)で。
監督は映画「君の膵臓をたべたい」などを手がけた月川翔さん。カテーテルの開発に挑む父親役に大泉洋さん、母親役に菅野美穂さん。次女の佳美役を福本莉子さん、長女の奈美役を川栄李奈さん、三女の寿美役を新井美羽さんが演じた。
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