パレスチナ情勢 7月22日~8月3日(日本時間)にあったこと

[PR]

 米紙ニューヨーク・タイムズは1日、イスラム組織ハマス最高幹部のハニヤ政治局長のイランの首都テヘランでの殺害が、現場に仕掛けられた爆発物によるものだったと報じました。

 同紙によると、殺害現場には約2カ月前から爆発物がひそかに置かれ、ハニヤ氏が訪れた際に遠隔操作で爆破されたとしています。

 また、イスラエル軍は1日、中東の衛星放送アルジャジーラのイスマイル・ゴウル記者を殺害したと発表しました。

 イスラエル軍はゴウル記者が「ハマスの対外発信で中心的役割を担っていた」などと主張していますが、同局はそれを否定し、非難しています。

■■■2024年8月3日(日本時間)の動き■■■

ハニヤ氏の殺害、イランの革命防衛隊が「短距離飛翔体」と主張

 イスラム組織ハマスの最高幹部ハニヤ政治局長が殺害されたことを受け、イランの革命防衛隊(IRGC)は3日、声明で「弾頭約7キロの短距離飛翔(ひしょう)体」による攻撃だった、と主張した。イラン政府系メヘル通信が伝えた。

 殺害方法をめぐっては、米紙ニューヨーク・タイムズなどが、事前に設置された爆弾が遠隔操作で爆破されたと報じている。パレスチナ自治区ガザでハマスとの戦闘を続けるイスラエルは、関与を認めていない。

 IRGCは声明で「この行為は犯罪政府の米国が支援するシオニストの政権(イスラエル)によるものだ」と訴え、イスラエルに報復する考えを改めて示した。

イランが軍関係者ら20人以上を拘束 ハマス最高幹部の殺害受け

 米紙ニューヨーク・タイムズは3日、イスラム組織ハマス最高幹部のハニヤ政治局長の殺害をめぐって「セキュリティー違反」があったとして、イラン当局が情報当局の高官や軍関係者、ハニヤ氏の滞在先の従業員ら20人以上を拘束したと報じた。複数のイラン当局者の話としている。

 同紙は、ハニヤ氏の殺害は滞在先に仕掛けられた爆発物によるものだったとし、イラン当局が殺害の実行犯について捜査を進めていると伝えた。施設の従業員全員を隔離下に置いて携帯電話を含む全ての電子機器を押収したほか、首都の警備に関わる軍や情報機関の幹部も尋問したという。

米国防長官、戦闘機や軍艦の追加派遣を指示

 米国防総省は2日、イスラエルとイランの緊張が高まる中東情勢に対応するため、戦闘機部隊や、弾道ミサイル防衛の能力を持つ巡洋艦および駆逐艦を追加派遣すると発表した。

 またオースティン国防長官は、中東に引き続き空母を配備し続けるため、帰還が予定されているセオドア・ルーズベルト空母打撃群に代わって、エイブラハム・リンカーン空母打撃群に中東に向かうよう命じた。

 国防総省は今回の対応を「イランやその代理勢力による地域的な紛争拡大を緩和するための措置だ」としており、「米軍の保護を向上させ、イスラエル防衛への支援を強化し、さまざまな事態に対応できるよう米軍の態勢を調整するよう命じた」と説明している。

米国務長官、イスラエルに米軍の防衛体制の変更伝える

 米国防総省は2日、オースティン米国防長官がイスラエルのガラント国防相と電話会談し、イスラエルの防衛を支援するため、中東における米軍の現在と将来的な防衛態勢の変更について伝えた、と発表した。

 同省によると、防衛態勢の変更は地域全体の戦力を守り、米国が危機に対応できるようにするために実施するという。オースティン氏は「さらなるエスカレーション(段階的拡大)は避けられないものではなく、緊張緩和はこの地域の全ての国に利益をもたらす」とも伝えた。

 一方、ガラント氏は「イランとその代理勢力に対するイスラエルと米国の安全保障協力は地域の安全と安定にとって重要だ」と述べた。

イスラエル、停戦交渉の代表団をカイロに派遣へ

 イスラエル政府は2日、パレスチナ自治区ガザでの停戦と人質解放をめぐる交渉のため、数日以内に代表団をエジプトの首都カイロに派遣すると発表した。ロイター通信が報じた。

 報道によると、政府は「代表団は3日夜か4日にカイロに向けて出発する」としている。

■■■2024年8月2日(日本時間)の動き■■■

ハマス最高幹部殺害 遠隔操作で爆破か

 イスラム組織ハマス最高幹部のハニヤ政治局長の殺害をめぐり、米紙ニューヨーク・タイムズは1日、イランや米国など複数の当局者の話として、イランの首都テヘランの滞在先に仕掛けられた爆発物によるものだった、と報じた。

 同紙によると、殺害現場となった滞在先には、約2カ月前から爆発物がひそかに仕掛けられており、遠隔操作で爆破された。中東の情報筋は、イスラエル政府はハニヤ氏が殺害された直後、作戦の詳細を米国やほかの西側諸国に説明した、と明かしたという。

 殺害の直後、イラン政府系のファルス通信は「上空からの飛翔(ひしょう)体」による攻撃だったと伝えていた。イスラエルはハニヤ氏殺害への関与を認めていない。

バイデン米大統領、ハニヤ氏殺害は「(交渉の)役に立たない」

 パレスチナ自治区ガザでの停…

この記事は有料記事です。残り19802文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

イスラエル・パレスチナ問題

イスラエル・パレスチナ問題

パレスチナとイスラエルの間で激しい武力衝突が起き、双方に多大な犠牲者が出ています。最新の動きをお届けします。[もっと見る]