左派の新しい流れと旧来型の典型 メキシコとベネズエラの大統領選
6月2日のメキシコ大統領選では、メキシコ史上初となる女性大統領の誕生が決まった。一方、7月28日のベネズエラ大統領選では、独裁的な支配体制を確立している現職のニコラス・マドゥロ氏が「3選」した。いずれも「左派」の政権だ。
朝カルっ! 流し見ニュース講座「世界の選挙と民主主義」
動画の流し見で、ニュースへの疑問が「スッキリ」する企画。日本から遠いイメージのある中南米のメキシコとベネズエラで実施された大統領選について、サンパウロ支局長を務めた岡田玄記者が詳しく解説します。ラテンアメリカの歴史についてもわかりやすく説明します。朝日カルチャーセンターの講座で解説した動画を約54分にまとめ、記事後半で掲載しています。
中南米では2000年代にも、相次いで左派政権が誕生した。赤旗を掲げた急進的な革命によってではなく、穏健な社会変革を求める左派政権が多かったことから、「ピンクの潮流」(ピンクタイド)と呼ばれた。2020年代に入り、再び左派政権の誕生が目立っており、ピンクタイドの再来との見方もある。
メキシコでは、貧困層支援や政治腐敗の一掃を進める現職のロペスオブラドール政権の路線継続を訴えるクラウディア・シェインバウム前メキシコ市長が当選した。野党陣営は、殺人件数が過去最高の水準を維持していることなどから治安問題の対策を訴えたが、国民は貧困問題の解消を優先した。また、2000年まで70年以上、政権の座にあった制度的革命党の復権も認めなかった。
シェインバウム氏は「フェミ…
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