甲子園初勝利の石橋はリアル「砂の栄冠」 入江祥太は主人公そっくり
(16日、第106回全国高校野球選手権大会3回戦 栃木・石橋0―5青森山田)
創立100年の県立の進学校が、初の甲子園大会出場をめざす―。
高校野球マンガ「砂の栄冠」のストーリーはこんな風に始まる。「ドラゴン桜」などを手がけた三田紀房さんの作品だ。
主人公の七嶋裕之は遊撃手と投手で、打っては主軸だ。そんな七嶋を地で行くかのような選手が、石橋にいる。入江祥太(3年)だ。
春夏通じて初の甲子園となる聖和学園との初戦。投げては毎回の11奪三振で被安打4で完封し、4番打者として3安打を放った。四回に先制のホームを踏み、春夏通じてチームの甲子園初勝利に貢献した。試合後「校歌を歌うことが目標だったので、気持ちよかった」と笑顔を見せた。
マンガに出てくる「樫野高校」と同じく創立100年の石橋。樫野高校は創立101年で初の甲子園出場を決めたが、石橋は今年、夏の甲子園に初出場を決めた。甲子園は8月に開場100年を迎えた。
強豪私立が競い合う栃木で、県立校が県代表となるのは19年ぶりとなる。準決勝では春夏合わせて3度甲子園大会を制した作新学院を破った。
物おじしない性格の入江。栃木大会では、ピンチのときも笑顔だった。
理由のひとつは相手への牽制(けんせい)。「のまれたら負けだから」。もうひとつは「本気で野球を楽しみたいから自然に笑顔になる」。
県内有数の進学校でもある石橋。平日の練習は2時間で、練習後は塾に向かう部員も多い。
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