【そもそも解説】日本の最低賃金、先進国の半分程度

有料記事そもそも解説ニッポンの給料

宮川純一
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 10月から引き上げられる最低賃金(時給)が47都道府県で出そろい、全国加重平均は1055円になりました。過去最高の5.1%増となった引き上げの背景や国際的な水準について解説します。

 Q 最低賃金が過去最高の引き上げになった背景は。

 A 審議会の議論で重視されたのが物価高だ。賃金が上がっても、物価がそれよりも上がると暮らしは楽にならない。実際に受け取った給料から物価が変動した影響を引いて計算する「実質賃金」がプラスになれば、自由に使えるお金が増える。消費が活発になり、景気も上向く。

 Q 実質賃金の現状は。

 A 近年はロシアのウクライナ侵攻や円安の進行で輸入価格が上がり、今年5月分まで過去最長の26カ月間連続で前年同月比マイナスだった。最新の6月分でプラスになったが、今後もプラスを定着させていくには最低賃金の引き上げが一つのポイントになるため、岸田文雄政権も今回の議論を注視してきた。

 Q 実質賃金を左右する要素は他にもあるのか。

 A 労働組合が会社と賃上げ…

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