入山規制解除に向け ガイドや山岳団体が点検 八甲田クマ被害
江湖良二
青森市の八甲田山中で6月に80代女性がクマに襲われて死亡し、登山道の入山規制が続いている問題で、ガイドや山岳団体による登山道の安全確認が1日、始まった。今月中旬にも一部登山道の一般向け開放を目指す。
市や県、国などでつくる関係者会議が、ガイドや山岳団体に依頼。この日は計12人が、酸ケ湯温泉から大岳に至る約10キロのルートを点検した。2週間ほどかけ規制した全ての登山道を確認する。
関係者会議は規制を段階的に解除する方針を決め、8月22日からパトロールを実施。登山道の階段などに大きな損傷はなかったが、草木が茂り見通しが悪い場所があったという。
日本山岳会青森支部長の須々田秀美さん(71)は「見通しの悪いところをなくせば、クマが見えても避けることが出来る。紅葉シーズンまでに何とかしたい」と話した。
ガイド団体「八甲田山歩(さんぽ)」の浜部信彦さん(72)は「登山道に長く人が入らないと、クマの行動範囲が広がる。早く点検して(登山道を)開けて欲しい。数多く入って登山道は人が通るものだとクマに教えないと」と話す。