敗れた直後に練習を志願した中村敬斗 中学時代に磨いた「左45度」

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岩佐友
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 6月26日、サッカー日本代表の中村敬斗(24)は、東京都豊島区にある三菱養和SCの練習場にいた。

 Jリーグの育成組織ではないが、強豪として知られるクラブ。突然の訪問に喜ぶ100人ほどの子どもたちの前に立つと、自ら提案して質問に答える時間を設けた。

 「プロになるには、どんな練習をしたらいいですか?」

 「僕は、あの壁を使って、いっぱいシュート練習をしました」

 中学1年から高校2年まで在籍したクラブの後輩たちへ。自身の原点を伝えた。

 いま、日本代表で最もゴールを期待させるアタッカーといっていい。

 昨年3月にデビューしてから10試合で8得点。今年6月6日にヤンゴンで行われた2026年ワールドカップ(W杯)アジア2次予選のミャンマー戦では2ゴールを挙げた。

 際立つのは、シュートの高い精度と、心憎いほどの落ち着きだ。ミャンマー戦の先取点は、その持ち味が詰まっていた。

 速攻から左サイドを抜け出してパスを受けると、ドリブルでペナルティーエリアの左角付近へ。内側に切り込み、右足を振った。寄せてきたDFの間を抜く低いシュートをゴール左に沈めた。

 「カットインしてから、ニア(近い側)かファー(遠い側)、どっちに打つべきか、考える時間が一瞬あった」。まず頭にあったのはファー。近づいてきたDFが視野に入り、とっさに判断を変えてニアへ蹴り込んだ。

「努力の天才」が繰り返した練習

 ゴール左45度。三菱養和SC時代から「敬斗ゾーン」と呼ばれてきた得意のエリアだ。

 中に切り込んでから左右に打…

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この記事を書いた人
岩佐友
スポーツ部
専門・関心分野
サッカー、バレーボール