子どもを笑顔に、週末だけのたこ焼き屋 会社員が考えた「仕組み」
子どもの頃、にぎやかな祭りの屋台が楽しい思い出だった。小さな祭りやイベントだったら、ぼくにもできる。週末だけのたこ焼き屋を始めた会社員が、コロナをきっかけに子どもたちを笑顔にする、ある「仕組み」を考えた。
三重県伊賀市種生(たなお)の旧博要小学校で8日にあったイベント「山の学校市場」。赤いタコのぬいぐるみが目印のキッチンカーの中で、山本猛(たけし)さん(44)が汗をかきながらたこ焼きをひっくり返していた。1皿6個入り400円で、味はソースやしょうゆなど6種類。
山本さんは月に1回、このイベントに出店する。主催の一般社団法人「社会をデザインするネットワーク」の代表理事、下猶(しもなお)茂樹さん(56)は山本さんをこう評する。「子どもを喜ばせたいという思いを伝える手段が、たこ焼き屋。損得で物事を考えないひとです」
「困っている人をほっておけない」
山本さんは同市の製薬会社の工場で働く。子どもの頃、上野天神祭で知られる菅原神社(同市)の近くに住み、祭りが楽しみだった。「小さな祭りなら、ぼくでもできる」。幸い会社は副業を勧めていた。道具は会社員でも手を出せる金額だ。1年ほど自宅で焼き方を練習。軽バンを改造し、2018年春、週末だけのたこ焼き屋を始めた。「響きがよいから」と店名は「たこ焼き とも」だ。
やがてコロナ禍になると、親…
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