福田知事、LRTの東武乗り入れも選択肢 知事選の公約骨子公表
栃木県の福田富一知事(71)は11日、県庁で定例会見を行い、6選を目指して出馬する知事選で掲げる公約の骨子を明らかにした。知事選の政策集はとりまとめ中で、でき次第、会見を開いて発表すると説明した。
知事選は10月31日告示、11月17日投開票の予定だ。現在、福田知事以外に立候補の意思を表明した人はいない。
この日の定例会見では、知事選で訴えるスローガンを「未来への投資、ともにつくる栃木のあした」にすると話した。
注力する五つの政策の柱として、以下を挙げた。人への投資、少子化トレンドの反転▽女性、若者の活躍を全力応援▽健康、安心な栃木の実現▽稼ぐ力を伸ばして、さらなる豊かな県へ▽トランスフォーメーションで栃木の未来創造。
具体的には、「県人口未来会議」や「栃木若者会議」(いずれも仮称)を置く。悪質なクレームなど理不尽な要求を受ける「カスタマーハラスメント」を防止する条例を作る。県立病院施設の再整備、半導体や蓄電池関連企業の誘致を進める――といった案を披露した。
また、宇都宮市と栃木県芳賀町を結ぶ次世代型路面電車(LRT)は昨年8月、JR宇都宮駅の東側区間で開業した。2030年代前半の開業を目標として、市中心部にあたるJR宇都宮駅西側への延伸計画もある。
この点に関して、知事選では、LRT西側延伸の支援、東武宇都宮線との連係による公共交通の広域ネットワーク化を訴えると説明した。
福田知事は、鉄道事業者との協議が重要だとしたうえで、「(LRTと東武宇都宮線の)接続あるいは乗り入れのいずれの選択肢もある」、双方の駅と停留場を「動く歩道で結ぶことも可能だ」と指摘した。
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兵庫県の斎藤元彦知事(46)のパワハラ疑惑などが問題化し、県議会から辞職要求が出ていることについて、栃木県の福田富一知事(71)は11日の定例会見で「賢明な判断をそろそろされる時期だと思う」と述べ、暗に辞職を促した。
斎藤知事に関しては、今後不信任案が提出され可決されれば、知事の失職か県議会の解散に至るという局面を迎えている。
福田知事は知事選や県議選をすれば十数億円の税金がかかると指摘したうえで、「これまでに身を退くか退かないか、決断すべきタイミングがあったのではないか」と斎藤知事に対して苦言を呈した。