森山大道さんが悼む細江英公さん 「三島さん土方さんをオブジェに」
構成 編集委員・大西若人
深い陰影で作家・三島由紀夫や舞踏家・土方(ひじかた)巽(たつみ)に肉薄した写真家の細江英公さんが9月16日、91歳で亡くなった。20代の若き日、助手を務めた写真家の森山大道さん(85)が悼んだ。
本当にありがとうございました、と言うほかないです。大阪から野良犬のように出てきた時に拾ってくださって、僕の写真はあそこから始まっているんです。
1961年に上京して、「プリントでも何でもできます」と言って最初の助手にしてもらったけれど、うそばっかり。大阪の岩宮武二先生の元では暗室作業はほとんどやっていなかったので、「いろは」を知っている程度で、ぶっつけ本番でした。「森山くん、現像して」「ベタ焼き作って」と言われる度に、「ハイッ」と言って。先生が飲んでいる店に行って、指示をもらって引き伸ばすとか。
僕は免許を持っていなくて…
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