大火の市場「次の100年」へ 新調の「のれん」、角打ち店主の決意
城真弓 田中久稔 伊藤隆太郎
大火に見舞われながら、再出発へ歩みを進める市場が北九州市にある。100年超の歴史がある小倉の旦過(たんが)市場。10月から一部店舗の解体が始まる中、店主が見据えるのは「次の100年」だ。
9月21日午前9時、シャッターが上がり、店頭に「あ」「か」「か」「べ」と四分割されたのれんが現れた。中央2枚の下半分は客が頻繁に触って破れ、当て布が施されている。
間もなく客が訪れ、冷蔵庫から自分で瓶ビールを取り出す。つまみは、サバをぬかみそで煮付けた郷土料理「ぬかだき」だ。
旦過市場に100年以上にわたって店を構える「赤壁酒店」は立ち飲みができる「角打ち」が売り。4代目店主の森野秀子さん(71)が切り盛りするが、この日を最後にいったん、たたむ。
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