栗は食べにくさで敬遠? 選び抜き、加工して応じる日本一の産地

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大村美香
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 モンブランに栗ようかん、栗きんとんなど、栗を使ったスイーツが菓子店をにぎやかに彩っています。一方で、皮をむく手間が敬遠され、家庭で栗を食べる機会は減っているようです。食べ方の変化が生産にどんな影響を与えているのか。日本一の産地、茨城県笠間市を訪ねました。

 「今朝は90キロ拾いました」。9月上旬、笠間市の「ふかさわ農園」では、園主の深澤悌二さん(70)と妻の洋子さん(69)が収穫を進めていた。

 1.6ヘクタールの畑に早生(わせ)から晩生(おくて)まで10品種あまりを育てている。収穫は午前5時すぎと、午後3時以降の2回。自然に木から落ちたイガから火ばさみで栗の実を取り出し、1粒ずつ品種別に集める。

 収穫後は栗をより分ける。最初に水の中に入れ、水に浮いた品質の悪いものを取り除く。次に目で見て割れや虫食いのものを外す。最後に機械で大きさ別に分類する。

 「外皮(鬼皮)に変色やシミ、黒い点があるものも外します。たとえ中の実には問題なくても見栄えが悪いので」と悌二さん。手で触るのも大事で、へこみがあったり、違和感があったりしたら取り除く。栗は皮をむいてみないと最終的には品質が分からない。それだけに、選別が重要なのだという。

 取り除いた栗はむき栗にした…

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この記事を書いた人
大村美香
くらし報道部|食と農、消費者庁
専門・関心分野
食と農