「抵抗は?」法廷で何度も問われた少女 沖縄米兵事件が炙り出した壁
米空軍嘉手納基地(沖縄県)に所属する米兵が16歳未満の少女への不同意性交などの罪に問われている性暴力事件。現在続いている那覇地裁での公判で、被告が同席する場で被害を訴える少女に長時間尋問したり、「抵抗の有無」を詳しく聞いたりして、法廷で被害者にとって負担となるやりとりが行われた。専門家は「性被害への理解が進んでいない」と指摘する。裁判は25日に結審する予定だ。
不同意性交とわいせつ目的誘拐の罪に問われているのは兵長ブレノン・ワシントン被告。被告は裁判で、起訴内容について一部の性的行為は認めたものの「同意があった」「18歳と言っていた」などとして無罪を主張している。
少女への証人尋問があった8月23日。法廷外にいる証人と法廷を音声や映像でつなぐビデオリンク方式は採用されず、ついたてで遮蔽(しゃへい)され被告や傍聴人から姿は見えないようになっているものの、法廷に同席しての尋問は通訳の時間を含め約5時間に及んだ。地裁はビデオリンク方式を採用しなかった理由について「審理の内容に関することなのでお答えできない」とした。
さらに裁判では抵抗の有無も問われた。検察側は「抵抗というか行動というか何かしましたか」など当時の状況を質問し、米兵の弁護側も「手で何か抵抗しようとかはなかったんですか」、裁判長も「抵抗していなかった理由は何かありますか」などと尋ねた。
少女は「理由は特にありませ…