「無敗の男」が引退後も示す存在感 後継の長男と元文科相の一騎打ち
宮廻潤子
田園地帯が広がる茨城県南西部の茨城7区には「無敗の男」がいた。かつて自民党に所属して旧建設相などを歴任し、ゼネコン汚職事件での逮捕も経験した中村喜四郎氏(75)だ。強固な後援会組織を支えに議席を守り、当選回数は15回を数える。
だが、立憲民主党から立候補した前回衆院選は自民の永岡桂子氏(70)に僅差(きんさ)で敗れた。連続当選は14回でストップし、比例に回った。今回はその議席を喜四郎氏の長男・勇太(はやと)氏(38)と永岡氏が一騎打ちで争い、今回も「中村家」対「自民の永岡氏」という構図だ。
中村氏は無所属での立候補だが、自身を野党系と表現し、「与野党対決」の様相も帯びる。出陣式で中村氏は、自民党派閥の裏金問題などを引き合いに政権を厳しく批判した。自民批判を展開していた喜四郎氏の訴えと重なる。
これに対し永岡氏は、文部科学相として旧統一教会と対峙(たいじ)したことや裏金問題と無関係だったことを挙げ、クリーンさを強調する。陣営は「7区は強固な保守地盤」であるとして、「(中村氏は)無所属を装った野党。7区に保守本流の永岡候補を」と訴える。
「野党系」対「保守本流」の茨城7区
「今の政治は、なぜ政治家に…