川崎の理想貫いた鬼木監督、後悔はない? 退任発表後に漏らした苦悩

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加藤秀彬
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 理想と現実のはざまにいた名将が、苦しんだ胸の内を明かした。

 10月16日、サッカーJ1川崎フロンターレの鬼木達(とおる)監督が退任を表明したオンライン取材でのことだった。

 「責任を取れるのは自分しかいない」

 2017年にコーチから昇格し、クラブを初のJ1優勝に導いた。監督個人として最多の4度のリーグ制覇、天皇杯全日本選手権で2度、ルヴァンカップでも1度優勝と、七つのタイトルをもたらした。だが、昨季はリーグ8位。今季も現在10位にとどまっている。

 低迷した最大の要因が、主力選手の流出だ。

 三笘薫守田英正谷口彰悟板倉滉田中碧。10月15日にあったワールドカップ(W杯)アジア最終予選のオーストラリア戦で日本代表として先発出場したこの5人は、いずれも川崎で黄金期を築いた選手たちだ。ここ数年で次々と欧州へ渡った。

 鬼木監督が風間八宏・前監督から受け継いだのは、ボールをつなぎ、敵陣で攻撃し続けるサッカー。高い技術を持つ選手たちは、それを体現できた。

 だが、主力の移籍が相次ぐと…

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この記事を書いた人
加藤秀彬
スポーツ部
専門・関心分野
陸上、サッカー、海外スポーツ