若手の離職率「高い」「やや高い」が半数近く 金沢商議所調査
【石川】金沢の企業は若者の離職と人手不足に悩んでいる――。金沢商工会議所が会員企業を対象に調査した結果、対策も含めて苦慮していることが浮き彫りになった。
同商議所は、金沢、野々市、白山の3市と津幡町の計292社に第2四半期(7~9月)の調査として8月27日~9月5日にアンケートを実施。107社から回答があった(一部設問への無効回答含む)。
景況感や売り上げ、採算性など5項目のDI値(業況判断指数)は全て前期を上回った。一方、経営上の問題点として「従業員の確保難」が19年度第3四半期(10~12月)以来、19期ぶりに1位となった。3期連続トップだった「仕入れ単価の上昇」は2位になった。
広報・調査グループの担当者は「物価高や円安に起因する仕入れ単価は、ある程度対応できるようになったものの、慢性的な人手不足は解消しようがないのでは」と話す。
今回の調査では、雇用や離職の状況も質問項目に加えた。課題として見えたのが、若手社員の退職だった。
新卒で入社3年以内の自己都合退職が「あった」という企業は44社(41・1%)で、離職率が「高い」「やや高い」と感じると回答したのは43社(48・3%)。また、新卒入社3年以内の若手の「人手不足感」は、「大いに感じている」「やや感じている」を合わせて63社(63・0%)にのぼった。
離職防止の取り組みで最も多かったのが「給与水準の引き上げ」(78社)で、「社内・社員間のコミュニケーション」(60社)が続いた。労働時間の短縮やメンタルケアなどを実施する企業がある一方で、「何が有効か分からない」と回答した企業もあった。
担当者は「世代間ギャップを埋めようと奮闘する企業の姿が浮かび上がった。調査結果が対策を模索する企業のヒントにつながれば」と話している。