識者がみた斎藤知事のSNS戦略 物語がつなげるフィルターバブル

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聞き手・丹治翔
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 兵庫県知事選で前職の斎藤元彦氏がSNS上での支持も後押しし再選した。ネット選挙解禁から10年余り。「ネットでの支持が得票につながるようになってきた」とSNSの分析に詳しい東京大学の鳥海不二夫教授(計算社会科学)は話す。

 ――SNSでの情報拡散について、どのような分析をしていますか。

 X(旧ツイッター)で10月1日からの投稿数を分析した。期間中、斎藤氏に言及する投稿が候補者の中で最も多かった。ポストとリポストを合わせた拡散量では、次点となった同県尼崎市前市長の稲村和美氏の3倍以上だった。

 ――斎藤氏の情報の拡散は、どのような理由が考えられますか。

 要因を言うのは難しいが、ま…

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    伊藤昌亮
    (成蹊大学文学部現代社会学科教授)
    2024年11月20日9時0分 投稿
    【視点】

    物語が強い力を持つのは共感を募るよりもむしろ反感を煽る場合でしょう。あるいは一方への反感を煽ることで他方への共感を掻き立てる場合でしょう。今回、立花氏がそうした物語を仕込み、アテンションエコノミー目当てのインフルエンサーや切り抜き職人がそこ

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    星野典久
    (朝日新聞政治部次長)
    2024年11月23日16時45分 投稿
    【視点】

    兵庫県知事選の結果を持って、既存メディアがSNSに負けたとの言説がありますが、必ずしもそうとは思いません。斉藤氏が獲得した111万票全てが、記事のような動きの結果だとはとても思えないからです。一方で、SNSで誤情報を拡散する手法、相手陣営へ

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兵庫県知事選2024

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兵庫県議会で不信任決議が可決され、斎藤元彦知事の失職したことに伴う兵庫県知事選(2024年11月17日投開票)。再選した斎藤知事側から選挙運動の対価として報酬を受け取った疑いがあるとして、神戸地検と兵庫県警が、関係先の捜索に入りました。最新のニュースや解説をお届けします。[もっと見る]