120年の歴史誇る日比谷公園 洋と和の美意識を醸す都心のオアシス
森治文
東京都心の緑のオアシス、日比谷公園(千代田区)。洋花、洋楽、洋食という三つの「洋」を庶民に紹介するため、日本初の洋風公園として1903(明治36年)に開園した。以来、あまり様相を変えることなく世代や年代を超えて多くの人々に親しまれている理由はなんだろうか。公園を管理する東京都公園協会の渡辺陽一園長の案内で広さ約16ヘクタールの園内を巡った。
高層ビル群を抜けて樹木に囲まれた園内に入ったとたん、張り詰めた空気がやわらぐのを感じ、ほっとした気分になる。
北東角の有楽門から入ってすぐ左手に石垣に囲まれた高台がある。江戸城の日比谷見附(番兵が見張る城門)の跡だ。芥川賞作家の吉田修一の受賞作「パーク・ライフ」で、主人公の男と女が出会う場としても描かれた。「公園を広く見渡せる穴場です」と渡辺さん。
「日比谷公園 一〇〇年の矜…
- 【視点】
西洋社会を礼賛する、いわゆる「出羽守」的な人と話していて、彼がニューヨークのセントラルパークをあまりに絶賛するので、「東京にも日比谷公園があるじゃないか」と言ったところ、規模が小さすぎると一蹴されたことがある。日比谷には日比谷の良さがあると
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